他の判例との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 03:01 UTC 版)
「ベルシステム24事件」の記事における「他の判例との比較」の解説
判例の多くは主要目的ルールを採るが、この事件を含め実際にはほとんどの事件で差止め仮処分の申立てが却下されている。これは、かつては会社が経営権を争う相手方はいわゆる仕手筋など悪質な者であることが多く、裁判所はいわば「当事者の顔を見て」判断していたからだと主張されている。すなわち、実際には相手方が仕手筋であるためその申立てを却下しつつ、その理由付けとして主要目的ルールを持ち出したにすぎなかったのではないか、との主張である。 しかし近年になって、敵対的買収や経営権争いを仕掛けてくるのはそのような仕手筋ばかりではなく、企業価値の上昇を図った敵対的買収などが実際に行われるようになってきた。本件においても、ベルシステム24の経営権の掌握を図ったのは東証1部に上場する大企業であり、かつてのような「顔を見て」の判断枠組は維持し難くなってきていた。そこで、本件の判例のように、具体的な事業計画にまで立ち入って主要目的を判断する枠組が取られるようになった、と解されている。裁判所が当事者の事業計画の当否にまで介入する点で、司法積極主義へ方針転換したと見る向きもある。
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