中空導波管
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 16:01 UTC 版)
中空導波管(ちゅうくう - hollow metallic waveguide)は、主にマイクロ波の伝送で用いられる、円形または方形の断面を持つ金属製の管である。電磁波は、管の中にその形状や寸法、波長(周波数)に応じた電磁場を形成(この態様を伝播モードという)しながら管の中を伝播する。 同軸ケーブルの場合のような導体損の原因となる中心導体を持たず、また誘電体損の原因となる誘電体が空気なので低挿入損失であることから、大電力の伝送が可能。 形状が安定しているためインピーダンスも安定している。このためミスマッチロスが少ない(VSWRが小さい)。 伝送路上の接触点が少ないため低相互変調歪(Intermodulation Distortion, IMD))である。 重くかさばり高価。 近年、マイクロ波の領域においてもPTFEなどの高性能誘電体を用いた同軸ケーブル(セミリジッドケーブル)が用いられるようになり導波管の利用領域は狭くなっているが、現在においても衛星通信、レーダおよび加速器など大電力の伝送には欠かせない存在である。
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