中性トレハラーゼ(NT)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/09 21:53 UTC 版)
「トレハラーゼ」の記事における「中性トレハラーゼ(NT)」の解説
中性トレハラーゼ(NT)は出芽酵母から単離され、同定された。非変性ゲル中では、このタンパク質の分子量は160 kDaを示すが、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動では80 kDaを示す。トレハロースに特異的な加水分解酵素で、Kmは5.7 mMと報告されている。S. cerevisiaeではNTH1遺伝子がコードしている。この遺伝子のオープンリーディングフレームは2079 bpで、693アミノ酸残基からなる79569 Daのタンパク質をコードしている。 NTの活性は、タンパク質のリン酸化-脱リン酸化により調節されている。cAMP依存性プロテインキナーゼによるリン酸化により、NTが活性化され、リン酸化された酵素をアルカリホスファターゼで脱リン酸化することにより酵素活性はほぼ完全に不活化される。アデノシン三リン酸及びプロテインキナーゼとともに置いて再リン酸化することにより、活性が復活することが観察されている。粗抽出物中のNTの活性はポリカチオンにより促進されるのに対して、リン酸化NTの活性はこれらにより阻害される。粗抽出物の活性化は、NT活性を阻害するポリリン酸の除去によることが分かっている。
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