世界大戦と大恐慌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 04:16 UTC 版)
そうはいうものの、現代国家がその後も福祉国家への道を歩み続け、もはや後戻りの利かないところまで来てしまったのは、20世紀前半に起こった様々な事件がこの動向を促進してしまったからであった。まず何よりも第一次世界大戦と第二次世界大戦という二度にわたる戦争と、両大戦の戦間期に起こった1929年以来の大恐慌という3つの事件の影響である。両大戦に参戦した国々は、総力戦を戦い抜くために国家総動員体制や挙国一致体制を敷いて、広く国民各層の参加と協力を調達することに努めざるを得なかったが、この戦時行政は国民各層への行政サービスの平準化を進めていく結果になったのである。そして、この時の大恐慌ほどに、市場のメカニズムに対する信頼感を根底から揺るがし、政府の政策構想の基調を一変させた事件は他にない。
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