上海軌道交通市域線
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上海軌道交通市域線 | |
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虹橋2号航站楼駅の機場連絡線北入口前に設けられたロゴ
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基本情報 | |
国 | ![]() |
所在地 | 上海市 |
種類 | 通勤鉄道 |
開業 | 2012年9月28日 |
運営者 | 上海市域鉄路運営有限公司(上海軌道交通機場連絡線) 中国鉄路上海局集団有限公司(金山線) |
詳細情報 | |
総延長距離 | 114.9 km |
軌間 | 1,435mm(標準軌) |
上海軌道交通市域線(シャンハイきどうこうつうしいきせん、中国語: 上海轨道交通市域线)は中華人民共和国上海市の中心市街地と周辺郊外の新都市を結ぶ郊外路線の総称。上海軌道交通の地下鉄路線と共に上海市の軌道交通網の主要部分を構成している[1]。
沿革
建設計画
初期
1999年に上海市の地下鉄をフランスのSYSTRA社により計画された際、17路線の市域快速軌道線(市域快速轨道线)、都市地下鉄路線(市区地铁线)、都市ライトレール路線(市区轻轨线)という形で定義がなされ、そのうち現在の市域線に近い市域快速軌道線は4路線が計画された[4]。その後2001年に上海市の規劃院と総合交通研究により具体化され将来的な路線網を、路線810km、駅を451箇所(そのうち乗換駅は91箇所、大規模な交通結節点を16箇所)と規定され、2001年に『上海市城市总体规划(1999年~2020年)』として国務院の承認を得た。
しかしその後この計画を実行しようとした際には、16号線と既存の国鉄路線の改築により開業した金山線を除いては、1号線や2号線などの都市地下鉄路線により郊外の地域も含め高密度に駅が開業していた。既存の地下鉄路線が郊外に延伸するにつれ、郊外路線の役割も兼ねるようになったために高速路線の建設が進まなかったことにより[5][6]、中心都市から郊外の新都市への交通の遅さは依然として上海の都市交通の弱点となっている[7]。上海市都市総合交通計画研究所(上海市城市综合交通规划研究所)により、2012年にも既存の地下鉄路線から独立した急行路線の建設構想をなされたことがあったが、正式な計画に組み組まれることは無かった[8][9][10]。
その後の計画の動向
2014年に上海市交通発展白書(上海市交通发展白皮书)で発表された内容では、新たな都市計画のテーマの一つとして「各新都市は1本以上の都市間鉄道または軌道快線(市域線)を開通させ、特に重点的な新都市へは15分で市域軌道交通網に接続する」とした[11][12]。2016年4月に上海市政府調達センター(上海市政府采购中心)によって、2025年までに建設すべき路線として嘉閔線、機場連絡線及び崇明線が示され[13]、2016年8月に規土局によって16号線、17号線、崇明線を除いて、他の路線は市域鉄道方式を採用するとした[14]。その後、2017年12月には国務院の承認を得て路線網計画线网规划)にて、計21路線、1157キロの路線を計画した。この計画では開業済みの路線や建設中、計画中の路線を含めた全ての路線が記されており、金山線、16号線、17号線、19号線(後の崇明線)も上海市域鉄路に含めた。
路線
路線名 | 起点駅/終点駅 | 開業日 | 最近調整日 | 駅数 | 営業キロ | 編成車両 | 所有者 | 運営者 | |
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■金山線 | 上海南 | 金山衛 | 2012年9月28日 | 2025年1月5日 | 9 | 56.4 | 市域C型車(8両編成) | 上海南 - 新橋:国鉄 新橋 - 金山衛:上海金山鉄路有限責任公司(国铁51%、上海市49%の合弁企業) |
国鉄上海局集団南翔駅 |
■機場連絡線 | 虹橋2号航站楼駅 | 浦東1号2号航站楼駅 | 2024年12月27日 | - | 7 | 58.5 | 市域鉄路C型車(4両/8両)[15] | 上海申鉄投資有限公司 | 上海市域鉄路運営有限公司 |
合計 | 15 | 114.9 |
脚注
- ^ “市域机场线12月27日首班车起开通运营”. 上海地下鉄. 2025年1月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月4日閲覧。
- ^ “金山铁路首班列车爆满 未来班次将增加到每天36对”. 东广新闻台 (2012年9月29日). 2020年6月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月4日閲覧。
- ^ 束涵 戚颖璞 (2023年12月25日). “重磅!上海机场联络线12月27日开通,票价及班次信息来了”. 上观新闻 2024年12月27日閲覧。
- ^ “上海轨道交通网络规划环境影响评价公众调查问卷” (中国語). 上海环境热线. (2005年11月17日). オリジナルの2016年8月6日時点におけるアーカイブ。 2016年2月21日閲覧。
- ^ 陆锡明,王祥 (2014-10-20). 上海大都市区域快速轨道交通规划研究. 城市交通
- ^ 顾保南 郭长弓 (2010-05-10). 上海城市轨道交通线网规划的问题及对策. 城市轨道交通
- ^ “2040年的上海:城郊铁路如何建” (中国語). 东方早报. (2016年2月2日). オリジナルの2016年6月29日時点におけるアーカイブ。 2016年2月20日閲覧。
- ^ 陆锡明,王祥 (2012-7). 上海市快速轨道交通规划研究. 城市交通
- ^ 陈必壮,王忠强,王祥 (2012-11). 上海铁路服务城市客运交通研究. 公交优先与缓堵对策——中国城市交通规划2012年年会论文集
- ^ 王忠强,陈必壮,王祥等 (2012-12). 上海市轨道交通运输系统发展研究. オリジナルの2016-08-15時点におけるアーカイブ。 2016年8月15日閲覧。
- ^ “上海都市圈市郊铁路制式研究招标公告” (中国語). 上海联合工程监理造价咨询有限公司. (2015年5月21日). オリジナルの2020年11月7日時点におけるアーカイブ。 2016年2月20日閲覧。
- ^ “上海城市总体规划纲要:拟增强区域城际铁路对外联系” (中国語). 东方网. (2016年1月12日). オリジナルの2019年1月24日時点におけるアーカイブ。 2016年2月21日閲覧。
- ^ “上海市政府采购中心第2016-10221号信息--上海市交通委员会市郊铁示范线规划” (中国語). 上海市政府采购中心. (2016年4月14日). オリジナルの2016年4月26日時点におけるアーカイブ。 2016年4月17日閲覧。
- ^ “上海规土局:机场联络线和嘉闵线已明确采用市郊铁路制式” (中国語). 澎湃新闻. (2016年8月10日). オリジナルの2016年8月10日時点におけるアーカイブ。 2016年8月11日閲覧。
- ^ “久事集团党委书记、董事长过剑飞调研市域铁路机场联络线”. 上海申铁 (2023年6月12日). 2023年6月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月24日閲覧。
関連項目
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