ワームホール
2つのブラックホールを結ぶワームホール
ブラックホールは物体を飲み込みますが、アルバート・アインシュタインの一般相対性理論では時間反転(物体が速く動けば動くほど時間が遅くなる、つまり時間が遅れる効果が現れること)も可能なので、ブラックホールを時間反転したもの、つまり物体を吐き出す時空も理論的には考えられます。それがホワイトホールです。また、ブラックホールとホワイトホールを結びつけたものも考えられ、それはワームホールと呼ばれています。
もう1つの世界との"時空のトンネル"
星の進化の最後にできるのはブラックホールだけですが、宇宙の初期など非常に特異な時期にワームホールのような時空が発生する可能性があります。実際に、時空などのゆらぎを考慮する場合には、ワームホールができたり消えたりしていると考えるべきなのです。このワームホールの原理をよく調べてみると、私たちの世界の他にもう1つの世界が広がっていることがわかります。この2つの世界が、仮に同じ私たちの世界だとすると、ワームホールはこの世界の中で、離れた2つの点を結ぶ時空のトンネルになるわけです。
タイムマシンの夢をもたらしたワームホール
キップ・ソーン博士たち相対論研究家は、このワームホールの理論を使ってタイムマシンを考えました。彼らは、量子的につくり出されたワームホールを宇宙船が通過できるほどに拡大し、そのままにしておけばつぶれてしまうワームホールというトンネルを支える物質を考え、さらにその口を光速に近いスピードで移動することを想定しました。その上で、光速で運動する物体の時間が遅くなるという特殊相対性理論の結果を適用すれば、過去に戻るタイムマシンがつくれると主張したのです。
スティーブン・ホーキング博士はタイムマシンづくりは不可能と反論
けれども、こうしたことは因果律に反しますし、実現不可能な仮定から導き出されているので、現段階ではありえないと考えるべきでしょう。スティーブン・ホーキング博士は、量子効果を考えると、タイムマシンをつくることは現実の世界では不可能であると語っています。
Weblioに収録されているすべての辞書からワームホールを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- ワームホールのページへのリンク