ワイルの部屋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/06 23:59 UTC 版)
Φ のルートによって定義される超平面を除くことによって、ユークリッド空間は有限個の開集合に分かれ、それらはワイルの部屋 (Weyl chamber) と呼ばれる。これらはワイル群の作用によって置換され、この作用が単純推移的であることは定理である。とくに、ワイル chamber の個数はワイル群の位数に等しい。任意の非零ベクトル v はユークリッド空間を v に直交する超平面 v∧ を境界とする2つの半空間 v+ と v− に分ける。v があるワイル chamber に属するときには、どのルートも v∧ に入らないので、すべてのルートは v+ あるいは v− に入り、α が一方に入っていれば −α は他方に入る。したがって Φ+ := Φ∩v+ は Φ のルートたちのちょうど半分からなる。もちろん Φ+ は v に依るが、v が同じワイル chamber にいるときには変わらない。選択 Φ+ に関するルート系の底 (base) は Φ+ の単純ルート (simple root)、すなわち Φ+ の2つのルートの和として書けないようなルート、の全体の集合である。したがって、ワイル chamber、集合 Φ+、底は各1つが他を決定し、ワイル群はいずれにも単純推移的に作用する。以下の図はルート系 A2 の6つのワイル chambers、v の選択、(点線で示された)超平面 v∧、正ルート α, β, γ を示している。この場合の底は {α, γ} である。
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