ロースハムの開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 22:58 UTC 版)
現在広く普及している「ロースハム」は、日本独特のもので、これは栄次がローマイヤ―から受け継いだ技術を以って売り出したものであり、彼は日本におけるロースハムの創始者であると言える。そして、これは日本の食肉加工業界の大きな革命であったことは間違いない。従来の鎌倉ハムでは、一頭の豚のもも肉でこれをつくる。肩の肉とバラの肉、つまり、腹部の肉でソーセージをつくる。すると、背中の肉、ロース肉が残ってしまう。これを何とかできないだろうか、というので考え研究して生み出されたのが、ロースハムである。牛の盲腸に包んで燻製にする、燻製にするだけでは、日本人は料理の方法を知らないからまずい。それなら煮た方が良いだろうということで、それを煮たものを販売したところ、大いに好評だった。彼は、このドイツ人技師の工場に足掛け前後十年間いた。彼の事業、否、彼の人生のすべての基礎は、この期間に完全に出来上がったと見てよい。二十歳で彼はこの工場を辞めたが、その間、二年ほどその仕事を手伝ったことがある。一度はローマイヤ―に呼び戻され、元の工場へ戻った。ローマイヤ―は全面的に彼を信頼し、どうしても彼を手放したくなかったのである。
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