ロフォモナスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ロフォモナスの意味・解説 

ロフォモナス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/08 14:33 UTC 版)

ロフォモナス
分類
ドメ
イン
: 真核生物 Eukaryota
: エクスカバータ Excavata
: メタモナーダMetamonada
階級なし : パラバサリア Parabasalia
: トリコニンファ綱 Trichonymphea
: ロフォモナス目 Lophomonadida
: ロフォモナス科 Lophomonadidae
: ロフォモナス属
学名
Lophomonas
S.F.Stein, 1860
  • L. blattarum
  • L. striata

ロフォモナス(Lophomonas)はパラバサリアに属する原生生物の1つ。ゴキブリの腸管に共生しているが、ヒト気道感染症を引き起こす例が知られている。

形態

長さ20-60 µm、幅12-20 µmの卵形ないし梨形の細胞で、その頂端に房状になった多数の鞭毛を持つ。一見すると気管支上皮細胞にも似ているが、細胞質中に貪食顆粒が多数あり細胞核は鞭毛の基部近くにある。[1]

生態

ゴキブリなどの後腸に共生しているが、シスト形成能があるため、糞の中に排出されて他の宿主に移動できると考えられている。[1]

ロフォモナス症

副鼻腔気管支などに感染して慢性的な症状を呈することが知られており、1993年中国で最初の報告がなされて以降、イラントルコインドペルーパナマメキシコなどで報告がある。臓器移植などで免疫抑制状態にある者ばかりでなく、とくに病歴を持たない患者も多く報告されている。治療はメトロニダゾールが奏効するとされている。[2]

分類

古典的には鞭毛虫亜門動物性鞭毛虫綱超鞭毛虫目に属し、分裂様式の観察からJoeniaなどとともに独立した亜目(ロフォモナス亜目 Lophomonadina)に位置づけられてきた。電子顕微鏡観察によってパラバサリア門超鞭毛虫綱ロフォモナス目の所属となり、 20世紀末に超鞭毛虫の単系統性が否定されると、とくに一部のトリコモナス類との近縁性からクリスタモナス目に整理された。ところがロフォモナスそのものの分子情報が明らかになると、一転トリコニンファ目に近縁であることが示された[3]。現在は再びロフォモナス目に位置づけられているが、これは以前のロフォモナス目とは構成が大きく異なる。

ロフォモナス属には現在2種が認識されている。

  • Lophomonas blattarum S.F.Stein, 1860
  • Lophomonas striata Bütschli, 1878
    やや小形で細胞表面を細菌が覆っている

出典

  1. ^ a b Martinez-Girón & van Woerden (2013). “Lophomonas blattarum and bronchopulmonary disease”. J. Med. Microbiol. 62 (11): 1641-1648. doi:10.1099/jmm.0.059311-0. 
  2. ^ Nakhaei, et al. (2022). “Global Status of Emerging Lophomonas Infection: A Systematic Review of Reported Cases (1993—2020)”. Interdiscip. Perspect. Infect. Dis. 2022: 3155845. doi:10.1155/2022/3155845. 
  3. ^ Gile & Slamovits (2012). “Phylogenetic Position of Lophomonas striata Bütschli (Parabasalia) from the Hindgut of the Cockroach Periplaneta americana”. Protist 163 (2): 274-283. doi:10.1016/j.protis.2011.07.002. 



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  ロフォモナスのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ロフォモナス」の関連用語

ロフォモナスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ロフォモナスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのロフォモナス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS