ルイーズ・ケネディ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/05/09 08:55 UTC 版)
ルイーズ・ケネディ(Louise Kennedy、1960年6月28日 - )は、アイルランド共和国のファッションデザイナー、実業家。サーレス生まれ[1]。2013年には、「アイリッシュ・ファションの無冠の女王 (uncrowned queen of Irish fashion)」と評された[2]。
経歴
ケネディは、後にダブリン工科大学 (Dublin Institute of Technology) に統合されたカレッジ・オブ・マーケティング・アンド・デザイン (College of Marketing and Design) と、グラフトン・アカデミー (Grafton Academy of Dress Designing) に学び[3]、1983年に独立した(公式サイトによる[4]:独立を1982年[5][6]、ないし、1984年とする記述もある[1])。
1990年、ケネディはアイルランド共和国初の女性大統領メアリー・ロビンソンのために、就任式用に紫のウールとモアレの服装をデザインし、後にロビンソンはケネディの顧客のひとりとなった[3]。ケネディは、このタイミングが極めて幸運だったと語っており、メディアに大きく取り上げられたことで、多数のアイルランド人顧客が突然に彼女の作品を知り、彼女の服を買い始めたのであった[7]。この年、ケネディは、ロンドン・デザイナー・ショー (the London Designer Show) への展示参加者に選ばれた[1]。1997年、ケネディはアイルランド共和国の国営航空会社エアリンガスの乗務員のユニフォームをデザインし、ダブリンとロンドンにフラグシップ・ストア(旗艦店)をオープンした[1]。1999年以降は、ティペラリー・クリスタル (Tipperary Crystal) のためにグラスのデザインも手がけるようになり、2001年以降はマーカス・ノトリー (en:Marcus NotleyMarcus Notley) との共同作業を行っている[1][8]。
2009年、ケネディは、それまで裁判官たちが着用していた伝統的なイギリス式のローブに代わって、新たにアイルランド共和国の法廷で着用される法服をデザインした[9]。2011年からは、受注品のウェディングドレスの提供をはじめ[1]、2013年には、自身によるデザイナー・ハンドバッグも立ち上げた[2]。
受賞
ケネディは、1989年と1990年に、アイリッシュ・デザイナー・オブ・ザ・イヤー (Irish Designer of the Year) に選ばれた[1]。1992年には、ベスト・アイリッシュ・デザイナー・コレクション (Best Irish Designer Collection) としてファッション・オスカーを受賞し、1994年には、女性デザイナーとしては初めて、アイルランド服飾産業会 (the Irish Clothing Industry) のファッション特別功労賞 (Outstanding Achievements in Fashion) を受賞した[1]。アイルランドのファッション界における活躍によって、1992年にはティペラリー・パーソン・オブ・ザ・イヤー (Tipperary Person of the Year) に選ばれた[1]。2003年と2004年には、ヴーヴ・クリコによる、アイリッシュ・ビジネスウーマン・オブ・ザ・イヤー (Irish Businesswoman of the Year) に選ばれた[1]。2009年には、女性として初めてのメルセデス・ベンツの「スタイル使節 (style envoy)」となった[5]。
ケネディはキャリアの初期から一貫してスーツやコートのデザインが高く評価されており、その方面では、1985年にベスト・アイリッシュ・コート・コレクション (Best Irish Coat Collection)、1991年にベスト・スーツ・アンド・ベスト・コート賞 (Best Suit and Best Coat Award)、1993年にベスト・コート・アンド・スーツ・コレクション・デザイナー・オブ・ザ・イヤー (Best Coat and Suit Collection Designer of the Year) を受賞している[1]。
大衆文化の中で
2010年、 アイルランド郵政事業 (An Post) が発行した、国際的に有名な当代のアイルランド人ファッションデザイナー6人の作品を描いた切手のセットに、ケネディも取り上げられた。このセットには、ケネディのほかに、ポール・コステロー (Paul Costelloe)、レイニー・キヨー (Lainey Keogh)、ジョン・ロシャ (John Rocha)、フィリップ・トレーシー、オーラ・カイリー (Orla Kiely) が取り上げられていた[6]。
ケネディは、コステローとともに、2013年のRTÉテレビ (RTÉ Television) の番組『Craft Master』の決勝大会に、ゲスト審査員として出演した[5]。
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k “Ms Louise Kennedy”. Debrett's. Debrett's. 2014年1月23日閲覧。
- ^ a b Power, Bairbre (2013年9月13日). “Louise Kennedy's new idea in the bag”. The Irish Independent 2014年1月23日閲覧。
- ^ a b Simpson, Anne (1991). Blooming Dublin : choice, change, and contradictions. Edinburgh: Mainstream Pub.. p. 131. ISBN 1851583246 .
- ^ Kennedy, Louise. “Louise Kennedy - Profile”. Official website. 2014年4月15日閲覧。
- ^ a b c “Craft Master: Judges”. RTÉ Television. 2014年1月23日閲覧。
- ^ a b “Magnificent Irish fashionista stamps”. World Stamp News. (2010年7月18日) 2014年1月23日閲覧。
- ^ Travers, John J. (2001). Driving the tiger: Irish enterprise spirit. Ireland: Gill & Macmillan. pp. 69–72. ISBN 0717133036.
- ^ “The Art of Glass”. Irish Arts Review 25 (3-4): 131. (2008) .
- ^ McDonald, Dearbhail (2011). Bust : how the courts have exposed the rotten heart of the Irish economy (New ed.). London: Penguin Books. p. 165. ISBN 9780141049229 .
外部リンク
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