ルイ・シロン(モナコ)
モナコの英雄。10代半ばで第1次世界大戦時のフランス軍に志願し、のちにフォッシュ元帥やペタン将軍の運転手を務めた。1920年代半ばからブガッティでレースを走るようになり、やがてワークス・ドライバーのひとりに加えられた。31年には地元モナコGPに優勝するなど、ブガッティ使いとして知られたが、しだいにマシンの競争力が失われたために、やむなくアルファロメオのチームに移籍。34年のモンレリーにおけるフランスGPでは、新興のドイツ勢を抑えてアルファP3で優勝、フランス人観客から大喝采を受けた。第2次大戦後はフランス車やマセラティ、オスカなどでレースに復帰、55年、55歳のときにはランチアD50を駆ってモナコGPで6位に入賞している。その前年、54年にはランチア・アウレリアでモンテカルロラリーに優勝、モナコGPと両方を制した唯一のドライバーとなった。60歳でようやく現役を退いたが、すぐにモナコのレーニエ大公の要請でモナコGPとモンテカルロラリーの責任者を命じられ、世を去るまで務めつづけた。
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