リン王国の立地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/21 04:35 UTC 版)
チベット語で、リン (/gliŋ/)とは、島を意味するが、 (サンスクリット語のdvīpaという語のように)大陸という別の意味も持つ。この物語の神話的、寓話的要素により、場所や時代の特定は難しく、古代リン王国についても場所の候補がいくつか存在する。しかし、チベット人の専門家と中国の漢民族の専門家の双方が、四川省西部カンゼ・チベット族自治州の徳格県の草原地帯にある阿須Axuという町が、ケサル王の出身地としてもっとも有力であるという点では大筋で合意している。この地は今も歴史に名を残すリンツァン王国 (Lingtsang)が存在した地方にあり、少なくとも15世紀初頭から東チベットにおける要所であったことがわかっている。いっぽう、ケサルの『魂の山』は、現在の青海省ゴロク・チベット族自治州にある有名な冠雪山であるアネ・マチン山(英語版) (アニェ・マチェン) である。チベットに広まっている物語の中では、リン王国の立地は東チベット (チベット語では ド・カムmdo khams)とされている場合が多く、更に特定されているものでは、ディ'Bri川 (長江)とザrDza川 (雅礱江)に挟まれた地域とされている。これは正にリンツァン王国 (チベット語では gLing-tshang)が20世紀まで存在していた地域と合致する。
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