モース-ケリー集合論
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数学基礎論において、モース-ケリー集合論(MK, 英: Morse-Kelley set theory)、ケリー-モース集合論(KM)、モース-タルスキー集合論(MT)、クワイン-モース集合論(QM)、またはクワインとモースのシステムとは一階述語論理によって記述される公理的集合論の一つ。MKと関連の深いフォン・ノイマン=ベルナイス=ゲーデル集合論(NBG)は、クラス内包公理図式に現れる論理式の束縛変数を集合の範囲に制限するが、モース-ケリー集合論は、ウィラード・ヴァン・オーマン・クワインが新基礎集合論について提案したように、これらの束縛変数が集合だけでなく適当なクラスを含むことが可能なように構成されている。
モース-ケリー集合論は、数学者のジョン・ルロイ・ケリーとアンソニー・モースにちなんだ名前であり、Wang (1949)によって初めて言及され、後にケリーの教科書 General Topology (1955)の付録で大学院レベルのトポロジーの入門として示された。ケリーは、自身の本のシステムが、トアルフ・スコーレムとモースによるシステムの変形であると述べた。モース自身のバージョンは、後に彼の著書 A Theory of Sets (1965)に登場した。
ZFCの言語における言明がNBGで証明可能であるのは、それがZFCで証明可能である場合かつその場合に限るという点で、NBGはZFCの保存拡大である一方、モース-ケリー集合論は真の拡大である。クラス内包公理図式を有限個の公理で置き換えることができるNBGとは異なり、モース-ケリー集合論は有限公理化することができない。
MKの公理と存在論
NBGとMKでは存在論が共通する。議論領域は真のクラスからなる。ほかのクラスの要素となるクラスを集合と呼ぶ。集合でないクラスは真のクラスである。原始的な原子文(atomic sentence)には帰属関係や等号を含む.
クラス内包に関する例外と細かな点を無視すれば、以下の公理はNBGと同じになる。公理の記号表現には以下の表記法を用いる:
モース-ケリー集合論
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