モデル系としての利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 09:28 UTC 版)
「シュードモナス・シリンガエ」の記事における「モデル系としての利用」の解説
Pseudomonas syringae pv tomato DC3000、P. syringae pv. syringae B728a、P. syringae pv phaseolicola 1448Aのゲノムシークエンシングが早期に完了していたこと、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)やベンサミアナタバコ(Nicotiana benthamiana)やトマトといったよく研究された植物を宿主とする病原株を選択単離できることにより、P. syringaeは、植物と病原体間の相互作用における分子生物学的挙動の実験的解析手法にとって重要なモデル系として利用されている。 このP. syringae系は、植物の防御機構の抑制における病原体遺伝子産物の役割の解析などに用いられている。P. syringaeのエフェクター研究のために開発されたこの系は、他の微生物のエフェクターを解析する研究者にも利用されており、この系において用いられた生命情報科学的なエフェクターの同定方法は他の生物においても適用できる。加えて、P. syringaeを専門的に扱っている研究者は、生物間の相互作用における生物学的過程を追跡する遺伝子オーソロジー開拓チームや、遺伝子産物のアノテーション(ゲノム情報に遺伝子と機能を割り当てること)のためのチームといった、Plant-Associated Microbe Gene Ontology(PAMGO)の作業部会に不可欠な人員とされている。
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