メランコリー親和型性格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 07:53 UTC 版)
メランコリー親和型は内因性うつ病を誘発する病前性格であり、テレンバッハが提唱した学説である。几帳面、良心的、配慮できるといった特徴を持つうつ病の病前性格であり、自分の所属する「社会や集団での役割」に応えようとするなかで、不調が生じうつ病を発症する。そのため、笠原は1978年にメランコリー親和型の患者への基本方針として、治ると説明し、休息させ、服薬の重要性を説明し、「患者という役割」に同一化させるという原則を提唱した。内因性うつ病の語は現在では用いられないが、病像としては今なお考慮されている。 うつ病の典型は、内因性のうつ病であり、メランコリー親和型が病前性格であると、以前の日本ではとらえられていた。そうして、日本では内因性うつ病と、神経症性うつ病との鑑別が重視された。内因性うつ病は、身体疾患の影響や薬物など明らかな外部の影響が不明で、かといって性格も環境も原因ではなく、食欲と体重は低下し、朝に落ち込み、抗うつ薬が有効である。神経症性うつ病は、そうした特徴がなく不安感を持ち、性格や環境に原因があり、抗うつ薬が効きにくいため環境調整や精神療法が必要である。 1980年代にはこうした性質が顕著ではなくなっているということが議論されており、現代型うつ病の議論が起こっている。役割への同一化を示さない。
※この「メランコリー親和型性格」の解説は、「うつ病」の解説の一部です。
「メランコリー親和型性格」を含む「うつ病」の記事については、「うつ病」の概要を参照ください。
- メランコリー親和型性格のページへのリンク