ミナミヤンマ科
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 03:29 UTC 版)
ミナミヤンマ科 Chlorogomphidaeはオニヤンマ科に分類されているが、オニヤンマとの形態の差やDNA分析の結果などから、別なミナミヤンマ科に分けられる場合もある。 オニヤンマとの違いは、複眼が一対で接しているオニヤンマと違い、前述のコオニヤンマほどではないが、完全に離れている事が挙げられる。 カラスヤンマ Chlorogomphus brunneus brunneus Oguma,1926 体長7.5cmほど。オスの翅はほぼ透明だが、メスの翅は基部から3分の2くらいまで黒褐色になるものから、翅全体が黒褐色になるものまでみられる。「カラス」の名はこのメスの翅に因んだものである。沖縄本島のみに分布する。慶良間諸島(渡嘉敷島)には別亜種アサトカラスヤンマ C. b. keramensis Asahina,1972 が分布し、絶滅危惧Ⅱ種。 ミナミヤンマ C. b. costalis Asahina,1949 カラスヤンマの亜種。体長7.5-8.5cm(一般に本土のものは大きく、南西諸島産は小さい)。オスの翅はほぼ透明で、メスの翅には前縁に黒褐色の縁取りがある。メスの翅の模様には著しい地域変異があり(一般に南へ行くほど黒褐色の縁取りが濃い)、メスを見れば採集地がほぼ分かるといわれるが、同じ生息域での個体変異も著しい。四国南部・九州南部から徳之島にかけて分布する。 オキナワミナミヤンマ C. okinawensis Ishida,1964 体長7.5cmほど。オスの翅は透明で、メスの翅には前縁にごく薄い縁取りがある。オス・メス共に腹部の黄斑が顕著である。台湾にすむヒロバヤンマ C. brevistigma Oguma,1926 に近縁で、ヒロバヤンマの亜種とする見解もある。沖縄本島北部のごく限られた場所に分布する。絶滅危惧Ⅱ種 イリオモテミナミヤンマ C. iriomotensis Ishida,1972 体長8cmほど。オスの翅はほぼ透明で、メスの翅には全体を取り囲むように縁取りがある。オス・メス共に腹部の黄斑が顕著である。台湾のタイワンミナミヤンマ C. risi Chen,1950 に近縁である。西表島のみに分布する。
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