マリオネット株式会社
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/24 14:24 UTC 版)
「刺青の男 (小説)」の記事における「マリオネット株式会社」の解説
ブローリングとスミスが夜の街路を会話をかわしながら歩いていた。ブローリングにとっては結婚して以来初めての夜の外出だった。彼は1979年にリオに行くはずだったのだが、彼を偏執的に愛していた女に邪魔され、強引に結婚させられて以来10年間というもの、家庭に縛り付けられていた。それがとうとうリオ行きのロケットの切符を手に入れたのだという。スミスは羨ましがった。彼も夫を愛しすぎる女と結婚してしまったのだった。しかも先月ごろから妻の愛し方は異常なほど激しくなっていた。ブローリングは自分が外出できた理由を教えると言って、彼に瓜二つの男をつれてきた。胸に耳を当てると、「かっち・かっち…」という音が聞こえた。マリオネット株式会社に依頼して複製ロボットをつくっていたのだ。スミスは自分も契約するために預金を下ろそうとしたが、金がなくなっているのに気が付いた。妻に問いただしたが、返事が無い。スミスは恐る恐る彼女の胸に耳を当てた。「かっち・かっち…」。一方、ブローリングは、ブローリング二号を道具箱にしまうために地下室へ降りていった。ブローリング二号は言った「あなたはリオへ行くのに、ぼくは狭い箱の中だ」「奥さんが好きになった」「あんたを道具箱に入れる。鍵をかけて、その鍵をどこかに無くしてしまう。そして奥さんとリオへ行く」「さよなら、ブローリング」。10分後、眠っていたブローリング夫人の頬に、だれかがキスをした…。
※この「マリオネット株式会社」の解説は、「刺青の男 (小説)」の解説の一部です。
「マリオネット株式会社」を含む「刺青の男 (小説)」の記事については、「刺青の男 (小説)」の概要を参照ください。
- マリオネット株式会社のページへのリンク