マッカラーの定理とは? わかりやすく解説

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マッカラーの定理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 14:49 UTC 版)

マッカラーの公式」の記事における「マッカラーの定理」の解説

このように万有引力ポテンシャル2次までの近似 V ( P ) {\displaystyle V(P)} は、 V 0 ( P ) {\displaystyle V_{0}(P)} , V 1 ( P ) {\displaystyle V_{1}(P)} , V 2 ( P ) {\displaystyle V_{2}(P)} , V 3 ( P ) {\displaystyle V_{3}(P)} の4つの項に分解できることがわかる。つまり V ( P ) = V 0 ( P ) + V 1 ( P ) + V 2 ( P ) + V 3 ( P ) . {\displaystyle V(P)=V_{0}(P)+V_{1}(P)+V_{2}(P)+V_{3}(P).} 第1項 V 0 = G r − 1 ∫ M d M = G M r − 1 {\displaystyle V_{0}=Gr^{-1}\int _{M}\,\mathrm {d} M=GMr^{-1}} は球対称質量分布ポテンシャル対応する。これは物体の全質量1点集められている場合と同じである。減少度合 1/r が他の項と比べ緩やかであるため、非常に遠距離ではこの項が支配的となる。これは惑星ケプラー軌道確立するのに用いられた、古典的なニュートンポテンシャルである。単極子(monopôle)、または単極子質量分布distribution de masse monopolaire)と呼ばれる。 第2項 V 1 = G r − 2 ∫ M r ′ cos ⁡ ψ d M {\displaystyle V_{1}=Gr^{-2}\int _{M}r'\cos \psi \,\mathrm {d} M} は双極子dipôle)、または双極子質量分布distribution de masse dipolaire)に対応する座標原点物体質量中心一致させると、この項は消える。実際、右の図を参照する次のように書くことができる。 V 1 = G r − 2 ∫ M r ′ cos ⁡ ψ d M = G r − 2 ∫ M x d M = G M r − 2 x 0 {\displaystyle V_{1}=Gr^{-2}\int _{M}r'\cos \psi \,\mathrm {d} M=Gr^{-2}\int _{M}x\,\mathrm {d} M=GMr^{-2}x_{0}} ここで x 0 {\displaystyle x_{0}} は物体質量中心Ox-軸成分第3項と第4項、 V 2 {\displaystyle V_{2}} , V 3 {\displaystyle V_{3}} は四極子(quadrupôle)、または四極子質量分布distribution de masse quadrupolaire)である。 V 2 {\displaystyle V_{2}} の計算続けると V 2 = G r − 3 ∫ M r ′ 2 d M = G r − 3 ∫ M ( x 2 + y 2 + z 2 ) d M = 1 2 G r − 3 ∫ M [ ( y 2 + z 2 ) + ( x 2 + z 2 ) + ( x 2 + y 2 ) ] d M = 1 2 G r − 3 ( A + B + C ) {\displaystyle {\begin{aligned}V_{2}&=Gr^{-3}\int _{M}r'^{2}\,\mathrm {d} M=Gr^{-3}\int _{M}(x^{2}+y^{2}+z^{2})\mathrm {d} M\\&={\frac {1}{2}}Gr^{-3}\int _{M}[(y^{2}+z^{2})+(x^{2}+z^{2})+(x^{2}+y^{2})]\,\mathrm {d} M={\frac {1}{2}}Gr^{-3}(A+B+C)\end{aligned}}} となる。ここで A {\displaystyle A} , B {\displaystyle B} , C {\displaystyle C} はそれぞれOx, Oy, Oz-軸のまわり慣性モーメントを表す。慣性モーメント平均 I ¯ {\displaystyle {\bar {I}}} を I ¯ = 1 3 ( A + B + C ) {\displaystyle {\bar {I}}={\frac {1}{3}}(A+B+C)} , とおくと、 V 2 = 3 2 G r3 I ¯ {\displaystyle V_{2}={\frac {3}{2}}Gr^{-3}{\bar {I}}} となる。 V 3 {\displaystyle V_{3}} に対しては、 V 3 = − 3 2 G r − 3 ∫ M r ′ 2 sin 2 ⁡ ψ d M = − 3 2 G r − 3 ∫ M r ′ 2 cos 2 ⁡ α d M = − 3 2 G r3 I {\displaystyle V_{3}=-{\frac {3}{2}}Gr^{-3}\int _{M}r'^{2}\sin ^{2}\psi \,\mathrm {d} M=-{\frac {3}{2}}Gr^{-3}\int _{M}r'^{2}\cos ^{2}\alpha \,\mathrm {d} M=-{\frac {3}{2}}Gr^{-3}I} ここで I {\displaystyle I} は O P ¯ {\displaystyle {\overline {OP}}} -軸のまわり慣性モーメントである。これより、次のマッカラーの公式(マッカラーの定理とも)が得られる。 V ( P ) = G M r − 1 − 3 2 G r − 3 ( I − I ¯ ) {\displaystyle V(P)=GMr^{-1}-{\frac {3}{2}}Gr^{-3}(I-{\bar {I}})} この公式は、地球他の惑星等の球状に近い物体適用するのに非常に便利である。物体何らかの対称性があれば、近似は十分遠距離でも有効である。明らかに2次までの近似であることから有効な適用範囲には限界があり、外部重力場をさらに正確に表すためにはより高次調和関数必要になる

※この「マッカラーの定理」の解説は、「マッカラーの公式」の解説の一部です。
「マッカラーの定理」を含む「マッカラーの公式」の記事については、「マッカラーの公式」の概要を参照ください。

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