ポピュラリティーパラドックス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 06:55 UTC 版)
「過剰診断」の記事における「ポピュラリティーパラドックス」の解説
有効性のない検診でも、検診のおかげで助かったと思う患者や、検診のおかげで助けたと思う医師は多い。過剰診断が多ければ多いほどそのような誤認が多く生じ、「ポピュラリティパラドクス(popularity paradox)」と言われる。「治療の必要のない」病気でも、検査で病気を発見し治療した医師は感謝されるが、有効でない検診を止めても感謝されることはない。過剰診断の被害に遭った対象者が自分が被害者であることを認めることには困難を伴い、過剰診断が多いほど検診から恩恵を受けたと感じる人が多くなる。過剰診断の被害にあった人たちは、検査や治療の害を内心では理解し、後悔している場合があったとしても、それを認めないことが多い。もしも認めると、必要のない手術を受けたことになり、さらに傷つくからである。そのため、それらの人々は「自分は早く見つけてもらって良かった。あなたも検査を受けなさい」と周囲の人たちに検査の受診を勧めることになりがちである。 一部の医療者が、がん検診の疫学を理解しないまま「がんを見つけてもらい命を救われた当事者の感謝の声がたくさんある。どんどん検診を広めるべき」と検診を推奨している。また、マスコミがこれらのポピュラリティーパラドックスからくる意見をそのまま流すことにより、誤った情報が拡散し、過剰診断の被害が拡大している。
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