ボゴリア湖とは? わかりやすく解説

ボゴリア湖

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/07 09:03 UTC 版)

ボゴリア湖


湖岸線で群れるフラミンゴ

ボゴリア湖
ボゴリア湖の位置(ケニア)
所在地  ケニア
リフトバレー州
位置 北緯0度15分 東経36度06分 / 北緯0.250度 東経36.100度 / 0.250; 36.100座標: 北緯0度15分 東経36度06分 / 北緯0.250度 東経36.100度 / 0.250; 36.100
面積 700 km2
水面の標高 990 m
成因 グレート・リフト・ヴァレー
淡水・汽水 塩湖
プロジェクト 地形
テンプレートを表示

ボゴリア湖(ボゴリアこ、Lake Bogoria)はケニアリフトバレー州バリンゴ県にある強アルカリ塩湖である。かつてはハニントン湖(Lake Hannington)と呼ばれていた。グレート・リフト・ヴァレーの中で、バリンゴ湖の南の半地溝の火山地域にあり、ナイロビの北西約285 km、赤道の少し北にあたる。この湖を対象とする国立保護区の範囲は世界遺産大地溝帯にあるケニアの湖沼群」の一部である。

概要

ボゴリア湖は、リフト・ヴァレーの中で南の、ナクル湖エルメンテイタ湖マガディ湖、および北のロギピ湖英語版と同様に、コフラミンゴの世界最大の個体群の棲息地である。湖はラムサール条約登録地であり[1]1973年11月29日から国立保護区である。ボゴリア湖は浅く(深さ約10 m)、長さ約34 kmと幅3.5 kmであり、700 km2の集水域を持つ。

湖周辺地域の地形は北のケスボ沼地と東のシラチョ・エスカープメントなどがある。保護区は間欠泉熱水泉でも有名である。周辺のアカシアの森林にはクーズーやその他の哺乳類が生息している[1]

湖水はNa+HCO3CO32−組成である。湖水はサンダイ川英語版(Sandai River)とエムソス川(Emsos River)および約200ヶ所のアルカリ熱水泉からの流入によって充填される。アルカリ熱水泉は、Loburu、Chemurkeu、および南部グループ(Ng'wasis、Koibobei、Losaramat)の3つの湖岸地点に存在する。他の熱水泉は湖底から直接噴き出る。ボゴリア湖はアフリカで最も真の間欠泉が集中している地域である(少なくとも18地点が知られている)。湖水はアルカリ性(pH: 10.5)で塩水(100 g/Lもの溶解塩を持つ)。湖は地表の流出口を持たず水は主に蒸発を通して塩となり、半乾燥地域なために蒸発率は高い。湖自体は薄い表層水とより濃くて塩分濃度の高い底層水からなる部分循環湖(成層湖)である。高塩分濃度であるけれども、湖にはフラミンゴを養う豊富な藍藻類Arthrospira fusiformis)がいて高い生産性を持つ。しかし湖に生息する他の生物は少ない。

湖は常に塩分濃度が高かったわけではない。湖底からの堆積物コアは過去10,000年間のうちの何回かの時期に淡水状態が存在したことと、湖の水位が現在の海抜約990 mより約9 m高かったことを示している。当時それは北にあふれバリンゴ湖に流れ込んでいたと考えられている。更新世後期のあいだ現在のボゴリア湖とバリンゴ湖は一体となってより大きな湖をつくっていたと考えられているが、これはいまだ確かではない。

湖地域はエンドロイス人(Endorois)の伝統的な居住地であり、彼らは1970年代にこの地域を追い出され今ではアフリカ人権委員会英語版で自分たちの再移住に挑戦している。

ボゴリア湖のパノラマ

脚注

  1. ^ a b Lake Bogoria | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2001年8月27日). 2023年4月7日閲覧。

参考文献

  • Tiercelin, J. J. and Vincens, A. (Eds) (1987). “Le demi–graben de Baringo–Bogoria, Rift Gregory, Kenya: 30,000 ans d’histoire hydrologique et sédimentaire”. Bulletin des Centres de Recherches Exploration-Production Elf-Aquitaine 11: 249–540. 
  • Renaut, R. W. and Tiercelin, J.-J. (1993). “Lake Bogoria, Kenya: soda, hot springs and about a million flamingoes”. Geology Today 9: 56-61. 
  • Renaut, R. W. and Tiercelin, J.-J. (1994), Lake Bogoria, Kenya Rift Valley: a sedimentological overview, in Renaut, R. W. and Last, W. M. (Eds.), “Sedimentology and Geochemistry of Modern and Ancient Saline Lakes”, SEPM Special Publication 50: 101–123 
  • North Lewis, M. (1998). A Guide to Lake Baringo and Lake Bogoria. Horizon Books. ISBN 9966-868-17-8 
  • Harper, D. M., Childress, R. B., Harper, M. M., Boar, R. R., Hickley, P., Mills, S. C., Otieno, N., Drane, T., Vareschi, E., Nasirwa, O.1, Mwatha, W. E., Darlington, J. P. E. C., and Escuté-Gasulla, X. (2003). “Aquatic biodiversity and saline lakes: Lake Bogoria National Reserve, Kenya”. Hydrobiologia 500: 259-276. 
  • Renaut, R. W. and Owen, R. B. (2005). “The geysers of Lake Bogoria, Kenya Rift Valley, Africa”. GOSA Transactions 9: 4–18. 

ボゴリア湖

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/21 05:00 UTC 版)

大地溝帯にあるケニアの湖沼群」の記事における「ボゴリア湖」の解説

詳細は「ボゴリア湖」を参照 ボゴリア湖の世界遺産登録範囲10,700 ha である。登録範囲1974年設定されたボゴリア湖国立保護区 (Lake Bogoria National Reserve) と重なっている。深いところは14 mほどある。

※この「ボゴリア湖」の解説は、「大地溝帯にあるケニアの湖沼群」の解説の一部です。
「ボゴリア湖」を含む「大地溝帯にあるケニアの湖沼群」の記事については、「大地溝帯にあるケニアの湖沼群」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ボゴリア湖」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ボゴリア湖」の関連用語

ボゴリア湖のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ボゴリア湖のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのボゴリア湖 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの大地溝帯にあるケニアの湖沼群 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS