ホライズン客車とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ホライズン客車の意味・解説 

ホライズン (客車)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/12 08:05 UTC 版)

Jump to navigation Jump to search
車両外観
普通座席車(コーチ)の車内
ビジネスクラス席

ホライズンホライゾン)はアムトラックで使用される1階建ての客車である。主にアメリカ中西部の短距離列車に用いられる。 ボンバルディア・トランスポーテーションにより、1988年から1990年にかけて通勤型コメットII客車英語版を基に製造された[1][2]

歴史

ホライズン客車はプルマン社1970年から1973年にかけてエリー・ラッカワナ鉄道向けとして製造した1階建て通勤客車であるコメット客車英語版を基にしている。 ボンバルディアはコメット客車の設計に関する権利をプルマン社より取得し、1982年、第2世代にあたる「コメットII」客車をニュージャージー・トランジット向けに製造した。

1988年、アムトラックとボンバルディアは104両のホライズン客車の製造の契約を締結した。この客車はコメット客車を基にしていたが、それを都市間列車向けに変更を加えたものになっていた。

設計最高速度は125 mph (201 km/h)とされ[3]、台車はゼネラル・スチール・インダストリーズ英語版(General Steel Industries)のベアリング台車"GSI-G70"とされた。これは同じくボンバルディアが後に製造した「スーパーライナーII客車」に用いられているものと同じものである[4]

既にできあがった客車を基に設計されたことから、アムトラックは速やかにホライズン客車を増備することができた。 また、アムトラックはこの客車を自己資本により導入することができた。これはアムトラックにとって連邦政府の補助に依らずに導入された最初の鉄道車両となった[5]

車両概説

ボンバルディアは1989年から1990年にかけて2種類のホライズン客車を提供した。内訳は座席車が86両、供食車(food service car)が18両である[6]

72両の普通座席車は座席の配列によって76から82人の旅客が着席することができた。14両は身障者対応の座席車とされ、72人分の座席と車椅子スペースが設けられた[5]。一般座席車についてものちに身障者対応改造され、座席定員は68から72名となった[6]

18両の供食車(food service car)は、カフェ/クラブ車(車室の片側半分がテーブル席、もう半分がビジネスクラス席)と軽食堂車(dinette、全室がテーブル席)とがあった[7]。いずれも車輌中央部に売店/供食(food service)カウンターが設けられている[5]。 カフェ/クラブ車のうち8両は32人分のテーブル席と19人分のビジネスクラス席を有していた。軽食堂車の10両は48人分のテーブル席を有していた[5]

最初のホライズン客車は1989年4月に営業運転を開始した[8]

1994年、アムトラックはトラブル続きのガスタービン動車でありニューヨーク州帝国回廊英語版で使われていたターボライナーを置き換えるため23両のホライズン客車を追加発注する計画を立てたが、予算の問題から実現しなかった[9]:40–7

使用路線

2017年11月現在、ホライズン客車は主にシカゴ近郊の短距離各線で用いられている(アムトラック#アムトラック・ルートも参照)。

さらに、ロサンゼルスに配置されパシフィック・サーフライナー号で用いられているものも一部ある。

また、カリフォルニア交通局は軽食堂車3両(全室テーブル席)を3両有償で借り受け、改装のうえで州保有のコメット客車と併結させサン・ホアキン号のカフェカーとして使用している[10]。 これらの車両はオークランドに配置されている。

脚注

  1. ^ Trainweb.org Amtrak roster page
  2. ^ Horizon car numbers
  3. ^ Amtrak 2015, p. 40
  4. ^ Bing, Berry & Henderson 1996, p. 3-11
  5. ^ a b c d Amtrak's Passenger Trains”. Amtrak (1990年). 2015年5月17日閲覧。
  6. ^ a b Simon & Warner 2011, p. 224
  7. ^ Solomon 2004, pp. 132–133
  8. ^ Stephenson, Dick (July 1989). “Amtrak/Passenger”. Pacific RailNews (308): 13–14. オリジナルの2013-10-02時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131002134302/http://www.trainlife.com/magazines/pages/500/36427/july-1989-page-13. 
  9. ^ U. S. Industrial Outlook, 1994. DIANE Publishing. (1994). https://books.google.com/books?id=M9FXFmk7BBwC. 
  10. ^ San Joaquin Joint Powers Authority/Caltrans. “San Joaquin Rolling Stock Presentation (PDF)”. pp. 35–42. 2013年6月30日閲覧。[リンク切れ]

参考文献

関連項目

外部リンク


「ホライズン (客車)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ホライズン客車」の関連用語

ホライズン客車のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ホライズン客車のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのホライズン (客車) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS