ペロプスの裔
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 04:41 UTC 版)
タンタロスは冥府のタルタロスで永劫の罰を受けて苦しんでいるが、その家系にも有名な人物がいる。彼の息子のペロプスは富貴に驕ったタンタロスによって切り刻まれ、オリュンポスの神々への料理として差し出された。この行い故にタンタロスは劫罰を受けたともされるが、以下の別説もある。神々はペロプスを生き返らせ、その後、彼は世に稀な美少年となり、ポセイドーンが彼を愛して天界に連れて行ったともされる。 ペロプスは神々の寵愛を受けてペロポネーソスを征服した。彼の子孫にミュケーナイ王アトレウスがあり、アガメムノーンとその弟のスパルタ王メネラーオスはアトレウスの子孫(子)に当たる(この故、ホメーロスは、「アトレイデース=アトレウスの息子」と二人を呼ぶ)。アガメムノーンはトロイア戦争のアカイア勢総帥でありクリュタイムネーストラーの夫で、メネラーオスは戦争の発端ともなった美女ヘレネーの夫である。また、アガメムノーンの息子と娘が、ギリシア悲劇で名を知られるオレステース、エーレクトラー、イーピゲネイアとなる。 ミュケーナイ王家の悲劇に密接に関連するアイギストスもペロプスの子孫で、オレステースと血が繋がっている。他方、アトレウスの兄弟とされるアルカトオスの娘ペリボイアは、アイアコスの息子であるサラミス王テラモーンの妻であり、二人のあいだの息子がアイアースである。また、テラモーンの兄弟でアイアコスのいま一人の息子がペーレウスで、「ペーレウスの息子」(ペーレイデース)が、トロイア戦争の英雄アキレウスとなる。
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