プロテクトモードの恩恵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 17:45 UTC 版)
「Microsoft Windows 3.x」の記事における「プロテクトモードの恩恵」の解説
WindowsはWindows 3.0のスタンダードモードおよびエンハンスドモードからプロテクトモードが本格的にサポートされた。 厳密には、WindowsはWindows/386からプロテクトモードを利用しているが、このバージョンでは内部的に80386で導入された機能をプロテクトモードで使用し、アプリケーションには仮想86モードを提供するというものであり、EMS対応MS-DOSアプリケーションと同様に実行プログラムを数百KBという限られたスペースに収まるよう作る必要があった。またEMSはバンク切り替えがあるため、その切り替え作業にかかる時間だけ低速になる。特に大規模なアプリケーションはほぼ常時バンク切り替えを繰り返すために低速だった。これがWindows 3.xのスタンダードモードとエンハンスドモードは、Windowsの大半のモジュールがプロテクトモードで動作する16ビットのコードで構成され、アプリケーション(WIN16アプリケーション)もプロテクトモードで動作する16ビットのコードで構成されるように変更された。さらにエンハンスドモードでは、80386で導入されたメモリ管理機能をプロテクトモードで動作するシステムのコードに実装し、IA-32のページングを利用した仮想記憶もサポートし、実メモリ以上のメモリをアプリケーションが確保できるようになった。また Windows 用のデバイスドライバとして、80386で導入された機能をプロテクトモードで活用した VxD デバイスドライバもサポートされた。従来のWindowsは常にメモリが不足気味だったが、3.0からのプロテクトモードをサポートした結果、Windows自身とそのアプリケーションは、(コンベンショナルメモリ)+(EMS)よりも高速で大量のメモリを使用可能なプロテクトメモリを利用可能になった。そのため、MS-DOSではメモリ不足から実現不可能だった大型アプリケーションも、Windows用に開発されるようになった。
※この「プロテクトモードの恩恵」の解説は、「Microsoft Windows 3.x」の解説の一部です。
「プロテクトモードの恩恵」を含む「Microsoft Windows 3.x」の記事については、「Microsoft Windows 3.x」の概要を参照ください。
- プロテクトモードの恩恵のページへのリンク