ブレビスタのゲタイ族統一
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 02:40 UTC 版)
ゲタイ族のブレビスタという者がこの部族の支配者の座につくと、打ち続く戦乱のために衰退していたゲタイ族をふたたび回復し、鍛錬・禁酒・命令への服従を課して非常に勢いづけた。その結果、数年の間に一大王国を確立し、さらに近隣諸族のほとんどがゲタイ族の支配下に入った。ボイレビスタスは、すでにローマにとって脅威の種になっており、恐れ気もなくイストロス河を渡るとトラキア地方を略奪しながらマケドニア、イリュリア両地方にまで達した。そして、ケルト族のなかでもトラキア、イリュリア両族と混在していた諸族の地方を荒らして通り、クリタシロス治下のボイイ族に加えてタウリスキ族をも共に全滅させた。ブレビスタがゲタイ族を統一することができたのは、彼がデカイネオスという呪術師を顧問として用いたためであり、禁酒令を出すことを提案したのもデカイネオスであった。 しかし、ブレビスタによるゲタイ族統一は長くは続かず、一部の族民が反乱を起こしたため、ローマのカエサルがボイレビスタス攻撃の遠征軍を派遣するまでもなく打倒された。そして、その後を継いだ指導者たちはゲタイ王国を4つに分割した。その後もゲタイ族の分割はさまざまに変わり、ローマのアウグストゥス帝(在位:紀元前27年 - 紀元14年)がゲタイ族攻撃のために遠征軍を派遣したときには、5つの区域に分けられていた。
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