ブラケット多項式による定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 01:06 UTC 版)
「ジョーンズ多項式」の記事における「ブラケット多項式による定義」の解説
正則表示 の形で与えられた、向き付けられた絡み目 L をとる。これに対してカウフマン(en:Louis Kauffman)の ブラケット多項式 ( ⟨ ⟩ {\displaystyle \langle ~\rangle } で表す)を用いて ジョーンズ 多項式 V(L) を定義しよう。 ここでブラケット多項式は整数を係数とする不定元 A の ローラン 多項式であることに注意する。 まず、 X {\displaystyle X} 多項式(正規化ブラケット多項式とも呼ばれる) X ( L ) = ( − A 3 ) − w ( L ) ⟨ L ⟩ {\displaystyle X(L)=(-A^{3})^{-w(L)}\langle L\rangle } を定義する。ここで w(L) は L の与えられた表示でのねじれ数を表す。ある絡み目の表示のねじれ数は、正の交差の個数(下の図の L+)から負の交差の個数(L−)を引いたものである。ねじれ数自身は結び目不変量ではない。 X(L) は結び目不変量である、なぜなら L の表示を三種類の ライデマイスター移動で変化させても X(L) は変わらないからである。ライデマイスター移動 II、III に対する不変性はブラケット多項式がこれらの変形に対して不変であることから従う。ブラケット多項式はライデマイスター移動 I によって − A ± 3 {\displaystyle -A^{\pm 3}} 倍だけ変化することが知られている。ねじれ数はライデマイスター移動 I で丁度 +1 または −1 変化するので、上記で与えた X 多項式はこの変形に対して変化しないように定義されている。 X(L) に A = t − 1 / 4 {\displaystyle A=t^{-1/4}} と代入することで ジョーンズ 多項式 V(L) が得られる。結果として ジョーンズ 多項式は整数を係数とする t 1 / 2 {\displaystyle t^{1/2}} を不定元としたローラン多項式になる。
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