フカウラトウヒレンとは? わかりやすく解説

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フカウラトウヒレン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/23 02:06 UTC 版)

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フカウラトウヒレン
青森県西津軽郡深浦町 2019年9月中旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : キキョウ類 Campanulids
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科 : アザミ亜科 Carduoideae
: トウヒレン属 Saussurea
: フカウラトウヒレン
S. andoana
学名
Saussurea andoana Kadota[1][2]
和名
フカウラトウヒレン(深浦塔飛廉)[3]

フカウラトウヒレン(深浦塔飛廉、学名:Saussurea andoana)は、キク科トウヒレン属多年草[2][3]

特徴

は直立し、高さは50-120cmになる。茎は上部で2-5回分枝し、褐色の多細胞毛がまばらに生え、幅2-5mmになる波状縁の翼がある。根出葉は花時には枯れて生存しない。茎の下部につく葉は革質で鈍い光沢があり、葉身は卵形になり、長さ11-26cm、幅10-20cm、先は鋭突頭、基部は深い心形になり、縁に粗い鋸歯がある。葉の表面、裏面ともにほとんど毛は生えない。葉柄は長さ10-16cmになり、上部に翼がある。茎の上部につく葉は小型になり、葉柄は短い[2][3]

花期は9-10月。頭状花序は散房状に2-5個が密集してつく。花柄は長さ3-5mmと短く、鋭角度に伸び、灰色の多細胞毛が密に生える。総苞は長さ15-17mm、径9-14mmになる鐘形で、緑色で、多少くも毛がある。総苞片は8列あり、外片は卵形で先は鋭突頭、長さ(5-6)7-12mm、幅2.5-3.5mmになり、先端は斜上・開出する。内片は長さ10-16mmになる。頭花は筒状花のみからなり、花冠の長さは10-11mm、色はほとんどが白色で、かすかに紅紫色になることもある。果実は長さ4.5-5.5mmになる痩果で、明るい灰褐色の条と斑点がある。冠毛は2輪生で、落ちやすい外輪は長さ2mm、花後にも残る内輪は長さ9mmになる[2][3]

分布と生育環境

日本固有種。本州の東北地方の青森県西津軽郡深浦町の特産で、日本海に面した海岸の風当たりの強いクロマツ林下、林内や草地に生育する[2][3]

名前の由来

和名フカウラトウヒレンは、「深浦塔飛廉」の意[3]

種小名(種形容語)andoana は、本種の発見者である青森県の安藤一次への献名である[2]

新種記載

2015年に門田裕一国立科学博物館)によって、『植物研究雑誌』Vol.90、「アジア産トウヒレン属 (キク科) の分類学的研究VII.北海道産の1新種と本州産の4新種」において、カムイトウヒレン-Saussurea kenji-horieana、カムロトウヒレン-S. sawaeショウナイトウヒレン-S. shonaiensisおよびウゴトウヒレン-S. ugoensis とともに新種として命名記載された[4]

本種と同様にクロマツ林下に生える、2013年新種記載の山形県の飛島特産であるトビシマトウヒレン-S. katoana に似るが、トビシマトウヒレンの総苞片が10列あるのに対し本種は8列、トビシマトウヒレンと比べて頭花の柄が短く、茎の翼があまり発達しないことで区別される[4]

ギャラリー

脚注

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  1. ^ フカウラトウヒレン 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ a b c d e f 『改訂新版 日本の野生植物 5』p.269
  3. ^ a b c d e f 『東北のアザミとその仲間たち』p.107
  4. ^ a b 門田裕一:アジア産トウヒレン属(キク科)の分類学的研究 VII.北海道産の1新種と本州産の4新種, The Journal of Japanese Botany, 『植物研究雑誌』Vol.90, No.3, pp.163-166,178, (2015).

参考文献





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