フォンタン循環成立の条件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/14 07:11 UTC 版)
「フォンタン手術」の記事における「フォンタン循環成立の条件」の解説
フォンタン手術後の血行動態(フォンタン循環)が成立するために重要な条件は、肺血管抵抗と心臓のコンプライアンスである。 フォンタン術後では、肺への血流は心拍出によらず静脈圧だけで流れなければならない。したがって肺血管抵抗が高い(肺高血圧)状態ではフォンタン循環が成立しないため、フォンタン手術を行うことが出来ない。通常は何度か心臓カテーテル検査を行って肺血管抵抗を測定し、患児がフォンタン循環に耐えうるかを慎重に検討する。出生直後にフォンタン手術を行うことが出来ないのもこのためである。新生児は生理的肺高血圧の状態にあるため肺血管抵抗が高く、下がるには数ヶ月単位の期間を要する。 同様に、肺動脈自体の径(太さ)も重要な条件である。肺動脈径の指標としては、左右肺動脈の断面積の和を体表面積で除したPA-index(PAI)が用いられる。 また、肺の血流は拡張期に心臓に戻るため、心臓の拡張期コンプライアンスが良いことも必要な条件である。
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