フィロステファニとは? わかりやすく解説

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フィロステファニ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/15 06:47 UTC 版)

フィロステファニ
第14回アルテミスステークスパドック
(2025年10月25日)
欧字表記 Firostefani[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 黒鹿毛[1]
生誕 2023年2月7日(2歳)[1]
抹消日 2025年11月14日[2]
エピファネイア[1]
スキア[1]
母の父 Motivator[1]
生国 日本北海道千歳市[1]
生産者 社台ファーム[1]
馬主 (有)社台レースホース[1]
調教師 中内田充正栗東[1]
調教助手 福永拓[3]
競走成績
生涯成績 2戦2勝[1]
獲得賞金 3685万7000円[1]
勝ち鞍
GIII アルテミスS 2025年
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フィロステファニ(欧字名:Firostefani2023年2月7日 - )は、日本競走馬[1]。主な勝ち鞍に2025年アルテミスステークス

馬名の意味は、「ギリシャサントリーニ島にある夜景がきれいなスポット名ギリシア語版[4]

経歴

デビュー前

2023年2月7日、北海道千歳市社台ファームにて誕生。2024年、募集馬名「スキアの23」として、予定厩舎は中内田充正、募集総額8000万円(1口出資額200万円)で、社台レースホースによって募集された[5]。社台ファームの佐々木氏は「普段からおとなしくて優しい子ですけど、騎乗すると勢いよく動いてくれますね。成長とともに前脚のかき込み、後肢の蹴り上げが強くなり、僚馬の中でも抜けています。芝の中距離を舞台に切れ味を発揮してくれるでしょう。夏後半から秋でのデビューを意識しています」とコメント[6]。その後も順調に育成過程が進み、2025年4月23日、栗東トレーニングセンターで行われたゲート試験を合格した[7]

2歳(2025年)

新馬戦

2025年7月27日、新潟競馬場第3レースの2歳新馬戦(芝1600m)で、短期騎手免許により来日していたレイチェル・キングを背にデビューした[8]。単勝オッズは母に2019年フローラステークスを制したウィクトーリアを持つ、ペルウィクトールに1番人気を譲り、2.8倍の2番人気で迎えた[9]。道中は中団で追走し、直線に入ると位置を外に変え猛追。最後はディールメーカーとの競り合いを制し、デビュー勝ちを決める[10][11]。騎乗したキングは「今日は勝つことが出来たが、まだ競馬を分かっていないところがある」と未熟な点を挙げる一方で、「能力の高さを感じることができた。競馬を覚えていけばさらにステップアップする」と伸び代を強調した。また、管理する中内田は「馬群で競馬をして欲しいと、ジョッキーに伝えた通りに乗ってくれた。いい教育ができたレース」とコメントした[12]

アルテミスステークス

次走には、初の重賞挑戦の舞台としてアルテミスステークスを選択し、鞍上には川田将雅を起用した。単勝オッズは半姉に2021年桜花賞などGI競走を3勝したソダシや、2023年スプリンターズステークスを制したママコチャがいる、白毛馬のマルガに譲り、またも2番人気で迎えた[13][14]。五分のスタートを切ると3番手に付け追走。直線に入ると、逃げていたマルガや2番手のハッピーエンジェルをノーステッキで交わし、後続を寄せ付けず、そのまま重賞初制覇を果たした[15]。騎乗した川田は「1週前追い切りに乗ったときに、とてもいい馬だということは理解しましたし、その分、難しいところもありますが、ここをいいレースができればというところでした」「まずはこの重賞をいい内容で走れたということがこの馬にとって大きいですから。これが次につながると思います」と淡々とコメントした[16]。また中内田は「強い馬もいた中で、上手に競馬をしてくれたので、いい教育ができました」「夏からここへかけてしっかり成長してくれましたし、太め感はなかったです。新馬戦はヨーイドンでしたが、逃げている馬がいいペースを刻む中で脚を使ったし、フィロステファニの能力ですね」と本馬の良さや成長面をコメントすると同時に[17]、「距離はマイルがベストですね。暮れに大きなレースがありますし、そこを目標にやっていきたいです」と、初のGI競走挑戦として阪神ジュベナイルフィリーズへの出走を検討するプランを明かした[18]

故障発覚、そして電撃引退

しかしレース後、栗東に帰厩した際に右前肢の繫ぎ部分に腫れと熱感が発覚。10月29日、右前肢屈腱炎を発症していることがエコー検査で判明した。30日には宮城県山元トレーニングセンター放牧に出し、牧場での治療と経過観察をしながら、今後について検討を行うと発表された[19][20][21]。その後、11月13日に社台サラブレッドクラブ公式サイトで引退が発表された[22]。同日に再度エコー検査を行った結果、浅屈腱の最下部にあたる繋ぎを中心に炎症が認められるなど重度の部類であることが判明。復帰へ向けた運動再開の目途が立たない状況であることや、症状が治まったあとでも復帰までの調教過程で再発する可能性が払拭できないことから、関係者間での協議の結果、生涯2戦2勝の戦績での引退決定となった[23][24][25][26]。そして、11月14日に競走馬登録抹消を行い、生まれ故郷の社台ファームにて繁殖牝馬として繋養される[2]

競走成績

以下の内容は、JBISサーチ[27]およびnetkeiba.com[28]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2025.07.27 新潟 2歳新馬 芝1600m(良) 9 7 7 002.80(2人) 01着 R1:37.1(32.6) -0.0 0R.キング 55 (ディールメーカー) 448
0000.10.25 東京 アルテミスS GIII 芝1600m(稍) 10 5 5 003.90(2人) 01着 R1:33.8(33.9) -0.3 0川田将雅 55 (ミツカネベネラ) 460

血統表

フィロステファニ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ロベルト系ヘイルトゥリーズン系
[§ 2]

エピファネイア
2010 鹿毛
父の父
*シンボリクリスエス
1999 黒鹿毛
Kris S. Roberto
Sharp Queen
Tee Kay Gold Meridian
Tri Argo
父の母
シーザリオ
2002 青毛
スペシャルウィーク *サンデーサイレンス
キャンペンガール
*キロフプリミエール Sadler's Wells
Querida

*スキア
2007 鹿毛
Motivator
2002 鹿毛
Montjeu Sadler's Wells
Floripedes
Out West Gone West
Chellingoua
母の母
Light Quest
2000 鹿毛
Quest For Fame Rainbow Quest
Aryenne
Gleam of Light *デインヒル
Gold Runner
母系(F-No.) スキア(FR)系(FN:1-k) [§ 3]
5代内の近親交配 Sadler's Wells 5×5 [§ 4]
出典
  1. ^ [29]
  2. ^ [30]
  3. ^ [29]
  4. ^ [29]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o フィロステファニ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2025年10月25日閲覧。
  2. ^ a b フィロステファニの競走馬登録抹消」『日本中央競馬会』2025年11月14日。2025年11月14日閲覧。
  3. ^ 【アルテミスS】追って一言」『サンスポZBAT!』。2025年10月25日閲覧。
  4. ^ 競走馬情報 フィロステファニ”. 日本中央競馬会. 2025年10月25日閲覧。
  5. ^ スキアの23”. 社台サラブレッドクラブ. 2025年10月25日閲覧。
  6. ^ フィロステファニの半兄はソールオリエンス「僚馬の中でも抜けています」/スキアの23」『日刊スポーツ』。2025年10月25日閲覧。
  7. ^ フルムーンなど、先週のゲート試験/栗東トレセンニュース」『netkeiba.com』。2025年10月25日閲覧。
  8. ^ 半兄にソールオリエンスなど フィロステファニが新潟3Rで初陣」『netkeiba.com』。2025年10月25日閲覧。
  9. ^ ペルウィクトール歴史的名馬に続け 夏の新潟から大舞台へ、今週復帰ルメール信頼の手綱/新馬戦」『日刊スポーツ』。2025年10月25日閲覧。
  10. ^ 【新潟3R・2歳新馬】皐月賞馬の半妹フィロステファニが初陣飾る キング騎手「能力は高い」」『スポーツ報知』。2025年10月25日閲覧。
  11. ^ 【2歳新馬・新潟3R】フィロステファニがクビ差競り勝つ」『サンスポZBAT!』。2025年10月25日閲覧。
  12. ^ ソールオリエンスの半妹フィロステファニが初陣V!キング騎手「能力の高さ感じる」/新馬戦」『日刊スポーツ』。2025年10月25日閲覧。
  13. ^ 白毛馬マルガが栗東トレセンに帰厩「いい体になって帰ってきた」 今後はアルテミスSへ向け調整」『東京スポーツ』。2025年10月25日閲覧。
  14. ^ 白毛マルガが来週帰厩予定 引き続き武豊騎手とのコンビで10・25アルテミスSへ/有力馬情報」『日刊スポーツ』。2025年10月25日閲覧。
  15. ^ フィロステファニ抜け出し快勝!来春へ名乗り、1番人気の白毛マルガは5着/アルテミスS」『日刊スポーツ』。2025年10月25日閲覧。
  16. ^ 【アルテミスステークス結果&コメント】フィロステファニ快勝 川田将雅「いい内容で走れたことが大きい」」『東京スポーツ』。2025年10月25日閲覧。
  17. ^ 【アルテミスS】2番人気のフィロステファニが重賞初制覇 川田将雅騎手「この重賞をいい内容で走れたことがこの馬にとって大きいです」」『スポーツ報知』。2025年10月25日閲覧。
  18. ^ 【アルテミスS】フィロステファニがノーステッキV 中内田充正調教師「マイルがベストでしょう」」『東京スポーツ』。2025年10月25日閲覧。
  19. ^ 無傷2連勝でアルテミスSを制したフィロステファニが屈腱炎発症 30日に放牧へ」『スポーツ報知』。2025年10月30日閲覧。
  20. ^ アルテミスS勝ち馬フィロステファニが右前肢に屈腱炎を発症」『サンスポZBAT!』。2025年10月30日閲覧。
  21. ^ フィロステファニが右前肢屈腱炎発症 宮城に放牧で経過観察へ、25日のアルテミスS王者」『スポーツニッポン』。2025年10月30日閲覧。
  22. ^ アルテミスS制覇のフィロステファニが右前肢の屈腱炎で引退 皐月賞馬ソールオリエンスの半妹」『スポーツ報知』。2025年11月14日閲覧。
  23. ^ デビュー2連勝でアルテミスS制覇フィロステファニが引退、繁殖入りへ 右前肢の屈腱炎が重度と判明」『サンスポZBAT!』。2025年11月14日閲覧。
  24. ^ アルテミスS覇者フィロステファニが引退…繁殖入り 右前屈腱炎 皐月賞馬ソールオリエンスの半妹」『スポーツニッポン』。2025年11月14日閲覧。
  25. ^ アルテミスS制覇のフィロステファニは重度の屈腱炎のため現役引退、繁殖入りへ」『日刊スポーツ』。2025年11月14日閲覧。
  26. ^ 「ええええ……」「良いお母さんになれますように」良血馬フィロステファニ突然の引退 ネットに驚きと惜別の声続出」『スポーツ報知』。2025年11月14日閲覧。
  27. ^ フィロステファニ 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2025年10月25日閲覧。
  28. ^ フィロステファニの競走成績”. netkeiba.com. Net Dreamers Co., Ltd.. 2025年10月25日閲覧。
  29. ^ a b c 血統情報:5代血統表|フィロステファニ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2025年10月25日閲覧。
  30. ^ フィロステファニの血統表|競走馬データ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2025年10月25日閲覧。

外部リンク




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