フィリピンツパイとは? わかりやすく解説

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フィリピンツパイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/06 17:22 UTC 版)

フィリピンツパイ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 登木目 Scandentia
: ツパイ科 Tupaiidae
: ツパイ属 Tupaia
: フィリピンツパイ T. everetti
学名
Tupaia everetti Thomas 1892[1]
シノニム[3]

Urogale cylindrura Mearns, 1905

和名
フィリピンツパイ[4]
英名
Mindanao treeshrew[3]
分布域

フィリピンツパイTupaia everetti)は、登木目ツパイ科英語版ツパイ属英語版に分類される哺乳類

分布

フィリピン(シアルガオ島ディナガット島ミンダナオ島[4]固有種[1]。模式産地はサンボアンガ[3]

形態

登木目最大種[4]。頭胴長(体長)18.2–23.5センチメートル、尾長14.7–17センチメートル、体重220–350グラム[4]。背面の体毛は黄褐色と黒色の混じった暗褐色で[5]、腹部は黄色または赤色[4]。胸部は明色で、肩にオレンジ色の淡い筋が走る[4][5]。頭部は大型で角張り[5]、鼻面や口吻は長い[4]。側頭窓は小さく[5]、上顎第二門歯は大型[4]。尾は頭胴長よりも短く、赤褐色で毛深い[4]

分類

本種のみでフィリピンツパイ属Urogaleを構成する説もある[3]。2011年に、分子系統解析の結果に基づいてツパイ属に含める説が提唱された[6]

生態

熱帯雨林や山地林に生息する[4]。地上性だが、樹上でも活動する[4]。昼行性で、朝と夕方に活発に動く[4]。地下や崖に巣穴を作る[4][5]

食性は雑食で、昆虫などの節足動物、トカゲなどの小型脊椎動物、鳥の卵、果実を食べる[4][5]

人間との関係

島内では広域に分布しており、普通種であることから絶滅の恐れは低いとされている[1]。生息地の破壊による個体数の減少が懸念されているが[4][5]、標高1,000メートル以上の生息地では個体数は安定していると考えられている[1]

出典

  1. ^ a b c d e Kennerley, R. 2019. Tupaia everetti. The IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T22784A130877829. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2019-1.RLTS.T22784A130877829.en. Accessed on 06 April 2025.
  2. ^ CITES (2025), “Appendices I, II and III,” valid from 7 February 2025, Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora, Available at: https://cites.org/eng. Accessed on 7 April 2025.
  3. ^ a b c d Kristofer M. Helgen, “Order Scandentia,” In: Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (eds.), Mammal Species of the World (3rd ed.), Volume 1, Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 104–109.
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 川道武男「フィリピンツパイ」、小原秀雄浦本昌紀・太田英利・松井正文 編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ5 東南アジアの島々』講談社、2000年、118頁。
  5. ^ a b c d e f g Pietryga, J. 2002. "Urogale everetti" (On-line), Animal Diversity Web. Accessed April 6, 2025 at https://animaldiversity.org/accounts/Urogale_everetti/
  6. ^ Trina E. Roberts, Hayley C. Lanier, Eric J. Sargis & Link E. Olson, “Molecular phylogeny of treeshrews (Mammalia: Scandentia) and the timescale of diversification in Southeast Asia,” Molecular Phylogenetics and Evolution, Volume 60, Issue 3, Elsevier, 2011, Pages 358-372.


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