フアン・デ・フアネスとは? わかりやすく解説

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フアン・デ・フアネス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/26 21:31 UTC 版)

フアン・デ・フアネス
Juan de Juanes
1910年にBernardo Ferrándiz Bádenesが描いた肖像画
生誕 1507年
スペイン、バレンシア
死没 1579年
スペイン、Bocairent
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最後の晩餐』 (1555-1562年ごろ)、プラド美術館マドリード

フアン・デ・フアネス (ビセンテ・フアン・マシップとしても知られる) (1507年-1579年) は、ルネサンス期のスペインの画家である。一般的にバレンシア派の画家たちの代表的存在と見なされている。

マシップは、ラ・フォント・デ・ラ・フィゲラ英語版に生まれた。彼の父はビセンテ・マシップ英語版 (アンディリャ 英語版, 1475年-バレンシア1545年) である。マシップの息子ビセンテ・マシップ・コメス (Vicente Masip Comes, 1555年ごろ–1623年) はビセンテ・デ・ファネスとしても知られ、マシップの様式を真似た [要出典]。マシップの2人の娘ドロテア・ファネス (Dorotea Juanes, 1609年没) とマルガリタ・ファネス (Margarita Joanes, 1613年) もまた画家であった[1]。彼の最も著名な弟子はニコラス・ボッラス英語版である。

伝記

マシップは、セバスティアーノ・デル・ピオンボから受けている影響のため、しばらくイタリアで芸術を学んだと考えられている。しかし、マシップは一度もイタリアに行ったことがなかったかもしれず、バレンシアにもたらされたイタリア絵画からセバスティアーノの影響を受けたとも考えられる。さらに、イタリアの画家パオロ・ダ・サン・レオカーディオとフランチェスコ・パガーノ英語版アレクサンデル6世 (ローマ教皇) からバレンシア大聖堂用の絵画制作を依頼されていた。マシップの画業の大半はバレンシアでなされ、現在もバレンシアに彼の現存作品のほとんどが残っている。すべてが宗教的主題の作品であり、厳粛な構図、精確な素描、美しい色彩、精緻な仕上げによって特徴づけられる。彼は、シャティバ近くのボカイレント英語版の教会の祭壇画を制作している最中に他界した[2]

名字のマシップが労働者 (スペイン語でマセロ) のように思わせるため、そして、やはり画家で同じような様式を持っていた彼の父ビセンテ・マシップとも混同されないように、彼はフアン・デ・ファネスと呼ばれるようになった[3]。かくして彼はフアン・デ・ファネスという呼称を採用し[要出典]、バレンシア大聖堂の聖具室のためにラファエロ的な『聖家族』を描いた。

アルフォンソ5世』 (1557年)、サラゴサ美術館

フアン・デ・ファネスは決して俗なる主題を描かず、ルイス・デ・バルガスフラ・アンジェリコを真似て、聖餐を受けてからでないと絵画を描かなかった。彼にとって絵画制作は、祈りと断食に満ちた厳粛な鍛錬、祈祷の過程であった。彼は決して教会の庇護に欠くことはなかった。バレンシア司教英語版ビラノーバのトマス英語版は、フアン・デ・ファネスに聖母マリアの生涯に関するタピストリー用の一連の原画を依頼した。彼は、イエズス会ドミニコ会ミニミ会英語版聖アウグスティヌス修道会フランシスコ会の教会のためにも絵画を描いた。また、サン・二コラス (San Nicolás)、サンタ・クルス (Santa Cruz)、カルメン・カルサド (Carmen Calzado)、サン・エステバン (San Esteban)、コロナ (Corona)、テンプレ (Temple)、サンタンドレス (San Andrés)、サン・バルトロメ (San Bartolomé)、サン・ミゲル・デ・ロス・レイェス (San Miguel de los Reyes) 教会のためにも絵画を制作した。画家はボカイレントで死去した。

フアン・デ・ファネスの最高傑作としては、イエズス会教会のために描かれた『無原罪の御宿り』が挙げられる。この作品は、彼の聴罪司祭であったマルティン・アルベルト (Martin Alberto) 神父から受けた啓示によって触発されたと考えられている。画家は肖像画も描いている。

脚注

  1. ^ Greer, Germaine (2 June 2001). The Obstacle Race: The Fortunes of Women Painters and Their Work. London; New York: Tauris Parke. p. 16. ISBN 9781860646775. https://books.google.com/books?id=qnBu6eUvx18C&pg=PA16 
  2. ^  この記述にはアメリカ合衆国内で著作権が消滅した次の百科事典本文を含む:  Chisholm, Hugh, ed. (1911). “Joanes, Vicente”. Encyclopædia Britannica (英語) (11th ed.). Cambridge University Press.
  3. ^ Vicente Juan Masip” (イタリア語). 2018年4月14日閲覧。

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