ファンタジスタとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > ファンタジスタの意味・解説 

ファンタジスタ【(イタリア)fantasista】


ファンタジスタ

作者星野智幸

収載図書ファンタジスタ
出版社集英社
刊行年月2003.3

収載図書ファンタジスタ
出版社集英社
刊行年月2006.4
シリーズ名集英社文庫


ファンタジスタ

作者花井愛子

収載図書だって愛だから。
出版社光文社
刊行年月2003.4
シリーズ名光文社文庫


ファンタジスタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/08 16:57 UTC 版)

ファンタジスタイタリア語:il fantasista[注釈 1])は、サッカー用語の一つ。主にイタリアなどで使われている。フォワードにあたるサッカー選手に対する賛辞とされる言葉である。

概要

イタリアのサッカー界(カルチョ)では、よくサッカー界を代表する選手に対して特定のポジションに関係なく、イタリア語で「規格外(並外れて優秀な)」という意味のフオリクラッセ(Fuoriclasse)という賛辞にあたる言葉を用いる。しかし、その中でも、シュートパスドリブル等において、閃きや創造性のあるプレーで観客を魅了するスーパースター級の選手に対しては、「想像」という意味のファンタジア(fantasia)に、人を意味する語尾「-ista」を付けてファンタジスタ(Fantasista)と呼ぶ伝統がある(イタリア語におけるファンタジスタの原意は「多芸多才な人」)。

ただ、この「ファンタジスタ」という言葉は賛辞であり、他者から賞賛と尊敬の意味を込めて「誰ともなしに呼ばれるもの」で、自称するものではないし、呼ばれる条件があるわけではない(eg.マエストロヴィルトゥオーソ)。従って、特筆すべき優れた技巧をもった選手でなければ使われない言葉であり、あまたのサッカー選手の中でもこの言葉で形容される選手はごく僅かに限られている。なお、イタリアでは主に攻撃的なポジションであるFWの選手に対してこの言葉が使われる傾向がある。[要出典]また、日本国内においては1990年代に『セリエA』の試合中継が衛星放送を介してリアルタイム中継されるようになり、日本人選手が同リーグに在籍する様になった1998年の後半頃から急激にサッカー雑誌やサッカー番組などを中心にこの言葉が多用・乱用されるようになった。

なお、FWの「ファンタジスタ」に対して、1,5列目の選手などといったMFにはトレッカンテ(Treccante)と呼んでいる。これは、イタリアのあるサッカー番組でACミランの翌季の移籍動向について語っているときに出来た言葉で、『ミランに3人のトレッカンテが必要か?』というテーマで、カカアレシャンドレ・パトロナウジーニョの起用法を議論していた時にイタリア国内のマスコミによって生まれた。また、それらの中間の位置づけでFWとMFに対して広く使われるのがトレクアルティスタ(Trequartista)である[1]

スペインやポルトガル語圏では「名手」という意味のクラッキ(Craque)という類義語を用いる事がある。ただ、こちらはDFなどの守備的なポジションの選手でも呼ばれる事があり、意味としてはフオリクラッセの様にファンタジスタよりも若干広い範囲で使われている。

歴史

語源

元々はイタリア国内でアドリブの上手い役者や芸人を指す言葉として使われていたが、ロベルト・バッジョのプレーぶりを見たイタリア国内のマスコミが彼を「ファンタジスタ」と呼んだのが始まりだとされている[2]。この為、用語として使用されている歴史はかなり浅いが、現在ではこの用語が誕生する以前の選手に対しても書物などで頻繁に使用されている。

変遷

1986年のW杯メキシコ大会において、当時のアルゼンチン代表監督のカルロス・ビラルドが、自身はあくまで「黒子」(悪役)に徹してディエゴ・マラドーナ一人の為のチーム作りをし、優勝した例がある。

ただ、特にイタリアでは1990年代後半から以前にも増してサッカー戦術の組織化が進み、プレッシングを多用するコンパクトなチーム戦術が重要視される様になったので、ファンタジスタにとっては以前よりもスペースが無くなり、相手からのプレッシングも厳しくなった。また、以前はファンタジスタが担っていた役割のほとんどは周囲のポジションの選手へと分担化が進み、ファンタジスタの存在自体が以前よりもそれほど重要視される事がなくなった。その為、ファンタジスタにとっては以前よりも攻撃で存在感を発揮する余地が失われ、それに加えて守備的貢献度の低さもあってか、一時期は不要論さえも上がる程に冷遇される時代がしばらく続いた。

しかし、従来のファンタジスタが持っていた要素に加えて、現代サッカーの厳しいプレッシングにも十分に耐えられる程の身体的屈強さを併せ持つファンタジスタの登場や、コンパクトな戦術は守備陣がプレッシングを強めれば強める程に逆サイドとディフェンスラインの裏に大きなスペースを相手に与えてしまうという弱点、攻撃に関してはどんなに攻めてもゴールから20メートルから30メートル辺りからは個人の独創性に頼らなければならないという理由で、W杯ドイツ大会の前後からファンタジスタの存在価値が冷遇されていた一時期と比べるとかなり見直される様になった。

役割

イタリア国籍を持つ選手における「ファンタジスタ」としては、ジャンニ・リベラロベルト・バッジョジャンフランコ・ゾラアレッサンドロ・デル・ピエロフランチェスコ・トッティなどがいる。そもそも、イタリアのサッカーはカテナチオと呼ばれる守備戦術以来、ゴールを奪うことよりも守備を最重視する傾向があり、攻撃はカウンターアタックが主体であった。少人数で敵陣に切り込む際、数的不利な状況を閃きで一変させチャンスを創出するのがファンタジスタの仕事である。勝敗の結果や勤勉な守備能力が問われる中で、ファンタジスタには一定の自由が与えられ、プレーの創造性をチームへ還元する役割を担う。[要出典]

背番号10との関係

古くはW杯スイス大会で活躍したフェレンツ・プスカシュは大会で10番を付け、4年後のW杯スウェーデン大会ペレも大会で10番を背負っていた。その他にもジーコ、マラドーナ、バッジョ、ジダン、リバウドがかつて背負っていた。歴代のファンタジスタによって10番のイメージが確立され、今日の様な「10番=ファンタジスタ」という代名詞となった[3]

関連項目

参考書籍

  • ワールドサッカーマガジン 『スターが選ぶ ベストプレーヤー2004』 2004年12月16日号 ベースボール・マガジン社

脚注

注釈

  1. ^ 男性名詞、複数形はi fantasisti、女性形はla fantasista(単数形)およびle fantasiste(複数形)である。

出典


ファンタジスタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 10:08 UTC 版)

Jリーグウイニングイレブン2008 クラブチャンピオンシップ」の記事における「ファンタジスタ」の解説

1人視点サッカー人生を味わうモード

※この「ファンタジスタ」の解説は、「Jリーグウイニングイレブン2008 クラブチャンピオンシップ」の解説の一部です。
「ファンタジスタ」を含む「Jリーグウイニングイレブン2008 クラブチャンピオンシップ」の記事については、「Jリーグウイニングイレブン2008 クラブチャンピオンシップ」の概要を参照ください。


ファンタジスタ。(ファンタジスタ マル)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 06:24 UTC 版)

北斗晶の鬼嫁運動記者倶楽部」の記事における「ファンタジスタ。(ファンタジスタ マル)」の解説

月曜 23:10 - 23:15放送されていた『Fantasista』がリニューアルした上で本番組に内包最後句読点は「マル」と音読する

※この「ファンタジスタ。(ファンタジスタ マル)」の解説は、「北斗晶の鬼嫁運動記者倶楽部」の解説の一部です。
「ファンタジスタ。(ファンタジスタ マル)」を含む「北斗晶の鬼嫁運動記者倶楽部」の記事については、「北斗晶の鬼嫁運動記者倶楽部」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ファンタジスタ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ファンタジスタ」の関連用語

ファンタジスタのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ファンタジスタのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのファンタジスタ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのJリーグウイニングイレブン2008 クラブチャンピオンシップ (改訂履歴)、北斗晶の鬼嫁運動記者倶楽部 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS