ピカール・レフシェッツ公式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/25 07:54 UTC 版)
「ピカール・レフシェッツ理論」の記事における「ピカール・レフシェッツ公式」の解説
ピカール・レフシェッツ公式は臨界点におけるモノドロミーを描写する。 f を (k + 1) 次元複素射影多様体から射影直線 P1への正則写像とする。すべての臨界点は非退化かつそれぞれ異なるファイバー上に存在すると仮定し、それらの像を x1, ..., xn ∈ P1 と書く。x ≠ x1, ..., xn なる点 x ∈ P1 を取る。基本群 π1(P1 – {x1, ..., xn}, x) は点 xi の周りを周るループ wi によって生成され、各点 xi に対して x におけるファイバー Yx のホモロジー Hk(Yx) 内の消滅サイクル(英語版)(vanishing cycle)が存在する。ここで、ファイバーは複素次元 k であり、よって実次元 2k であることからこのホモロジーの次数は中間の次数であることに注意せよ。Hk(Yx) 上の π1(P1 – {x1, ..., xn}, x) のモノドロミー作用は以下のピカール・レフシェッツ公式で得られる(他のホモロジー群上のモノドロミー作用は自明である)。 γ {\displaystyle \gamma } ∈ Hk(Yx) への基本群の生成元 wi でのモノドロミー作用は w i ( γ ) = γ + ( − 1 ) ( k + 1 ) ( k + 2 ) / 2 ⟨ γ , δ i ⟩ δ i {\displaystyle w_{i}(\gamma )=\gamma +(-1)^{(k+1)(k+2)/2}\langle \gamma ,\delta _{i}\rangle \delta _{i}} で与えられる。ここで、δi は xi の消滅サイクルである。この公式は k = 1 のとき Picard & Simart (1897, p.95) において非明示的に(消滅サイクル δi の係数の明示なしに)現れている。Lefschetz (1924, chapters II, V) では任意の次元で明示的な公式が与えられている。
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