ピアノ協奏曲第4番 (カバレフスキー)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ピアノ協奏曲第4番 (カバレフスキー)の意味・解説 

ピアノ協奏曲第4番 (カバレフスキー)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 17:37 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

ピアノ協奏曲第4番プラハ作品99は、ドミトリー・カバレフスキー1979年に作曲したピアノ協奏曲。初演は同年10月9日モスクワで行われた。初演のソリストを務めたのは、モスクワ音楽院の学生だったユーリー・ポポフ(Yuri Popov)である[1]。1981年にポポフ独奏、カバレフスキー指揮モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団の顔ぶれでメロディアにより録音がなされている。

概要

この曲は1980年の第10回クイビシェフ(Kuybyshev)・ピアノコンクールのために作曲された。演奏時間12分弱という短い曲で、ソビエト連邦の青年に捧げる協奏曲3部作[注 1]と同様の特徴を有する。曲にはカバレフスキーがプラハに赴いた際に出会った、3つの民謡が素材として取り入れられている[2]。このため、曲は「プラハ協奏曲」という名前で呼ばれることもある[1]

カバレフスキー自身は、活発な両端楽章を「活動」、穏やかな中間楽章を「反映」という言葉で説明した。全体として簡素で時おり諧謔性を見せる乾いた作りの中にも、ピアノの確かな演奏技巧が要求されるように書かれている。若い音楽家のためにピアノ音楽を書き続けた、作曲者の姿勢が垣間見える[1]

演奏時間

約12分[3]

楽器編成

ピアノ独奏、スネアドラム弦楽合奏[1]

楽曲構成

第1楽章 アレグロモルト・エ・エネルジーコ

弦楽器の導入に続いてピアノが入り、キビキビと進行する。第2主題はユーモア性のあるものである。一瞬落ち着くと第1主題が再現され、ただちに楽章を終える。

第2楽章 モルト・ソステヌート - インプロヴィサート -

ピアノの抒情的なモノローグで開始する。発想表記に示される通り、ピアノには即興的な表現力が要求される[1]。中間で大きな盛り上がりを見せると再び静まり、静かに余韻を残して終結する。

第3楽章 ヴィーヴォ - ピウ・モッソ. コン・ブリオ

スネアドラムのロールに始まるトッカータ的な楽章。ジャズの影響も感じられる[1]。ピアノは音階的なパッセージが主体であった第1楽章とは異なり、打楽器的に和音を鳴らす場面が多くなっている。最後はスネアドラムの音とリズミカルな和音の連打により、簡潔に全曲の終了を告げる。

脚注

注釈

出典

  1. ^ a b c d e f g CHANDOS Kabalevsky Piano Concertos vol.2 Booklet (PDF)”. 2013年6月8日閲覧。
  2. ^ 素材となる民謡は、チェコ民謡「Vyletěla holubička」、モラヴィア民謡「U starej breslavy」、スロヴァキア民謡「Pridi ty šuhajko」。
  3. ^ CHANDOS Kabalevsky Piano Concertos vol.2”. 2013年6月8日閲覧。

参考文献

  • CD解説 CHANDOS CHAN10384
  • CD解説 OLYMPIA OCD269

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ピアノ協奏曲第4番 (カバレフスキー)」の関連用語

ピアノ協奏曲第4番 (カバレフスキー)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ピアノ協奏曲第4番 (カバレフスキー)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのピアノ協奏曲第4番 (カバレフスキー) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS