ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 | Sonate h-Moll Op.58 CT203 | 作曲年: 1844年 出版年: 1845年 初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel 献呈先: Comtesse Emilie de Perthuis |
作品解説
この『ピアノソナタ第3番』は、前作の『第2番』「葬送ソナタ」よりも有機的な形式や壮大な規模を持ち、ショパンの力強く雄大な一面を十二分に発揮させた傑作である。 作曲はショパン円熟期の1844年夏、出版は翌年の1845年、E・ドゥ・ペルトゥイ伯爵夫人に献呈された。
第1楽章ロ短調はアレグロ・マエストーソのソナタ形式で書かれている。極めて優美な主題の素材が溢れるように次々と登場し、ショパンの作曲家としての巨大な資質がうかがえる楽章。
第2楽章変ホ長調はスケルツォ。ショパンは深刻な内容のスケルツォを何曲か書いたが、このスケルツォは本来の諧謔的な内容を持つ。短い楽章だが、軽快で即興的でピアニスティックな効果が生きている。
第3楽章ロ長調は、ノクターン風の甘美な楽章。中間部に移っても曲想の大きな変化はなく冗長なきらいがあるが、この楽章の長さが曲全体の時間的均衡を絶妙に保っている。
第4楽章ロ短調はロンド形式のフィナーレ。これは、ショパンの『熱情』と称される程に力強い楽章。ヴィルトゥオーゾ的な技巧を要し、華麗で堂々たる表情をしだいに高揚させ、圧倒的な力感溢れるままに曲を閉じる。
「ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調」の例文・使い方・用例・文例
- ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調のページへのリンク