ヒメタイコウチとは? わかりやすく解説

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姫太鼓打虫

読み方:ヒメタイコウチ(himetaikouchi)

タイコウチ科昆虫

学名 Nepa hoffmanni


ヒメタイコウチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/19 19:17 UTC 版)

ヒメタイコウチ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
亜綱 : 有翅昆虫亜綱 Pterygota
: カメムシ目(半翅目) Hemiptera
亜目 : カメムシ亜目(異翅亜目) Heteroptera
: タイコウチ科 Nepidae
: ヒメタイコウチ属 Nepa
: ヒメタイコウチ N. hoffmanni
学名
Nepa hoffmanni
和名
ヒメタイコウチ(姫太鼓打)

ヒメタイコウチ(姫太鼓打、Nepa hoffmanni)は、カメムシ目タイコウチ科に属する昆虫の一種。生態や分布域に謎が多く、比較的珍しいとされる。

分布

中国朝鮮半島ロシア日本に分布。国内では愛知県三重県兵庫県香川県の局所的に分布している。湿地や浅い水域に生息。生息地には湧水がある場合が多い。名古屋市内では、身近な場所に生息しているが、近年の都市開発などにより、分布域を確実に減らしている。ヒメタイコウチの生息地は、地理的条件から土地開発の対象となり易いため、保全には注意が必要である。

形態・生態

体長20mmほど。体色は茶褐色で尻に呼吸管を具えるが、タイコウチのものほど長くはない。肉食性で、鎌状の前肢を用いて主に昆虫、節足動物を捕らえ、口針から消化液を送り込み溶けた体組織を吸入する体外消化を行う。水中生活には適応しておらず、陸上で活動することが多い。を持つが飛翔はしない。

12月頃に陸上の土中や枯葉の下などで越冬する。

繁殖

産卵期は4~6月。雌は水辺の土、苔に数本の呼吸糸を持つ卵を産む。産卵数はメス1匹あたり8〜12個である。孵化した幼虫は5回の脱皮を経て7〜8月に成虫となる。これは水生カメムシの中では遅い方である。

飼育

水深数cmの水に砂や土、苔等で陸部を多く設ける。水深が深いと溺れ死んでしまう。他の水生昆虫とは違い小魚やオタマジャクシなどを捕食しないため、生きた昆虫類を餌として与える。飛翔はしないが、壁面を登るため容器に蓋をする必要がある。

餌は数日おきに与える。水中にいるときはもっぱら獲物を待ち構えているので、その時に与えると反応が良い。

その他

三重県桑名市では、1985年に文化財(天然記念物)に指定された[1]

三重県では、2017年(平成29年)3月31日に三重県自然環境保全条例第18条第1項の規定により、ヒメタイコウチを三重県指定希少野生動植物種に指定した。捕獲等する場合は事前の届出が必要であり、違反すると6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処される場合がある。[2]

脚注

  1. ^ 「桑名市指定文化財 ヒメタイコウチ」 桑名市教育委員会文化財ホームページ
  2. ^ [1]

参考文献

豊橋市自然史博物館研報





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