パピリオナンセ属とは? わかりやすく解説

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パピリオナンセ属

(パピリオナンテ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/10 14:25 UTC 版)

パピリオナンセ属
パピリオナンセ・バンダヌム
Papilionanthe vandarum
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
亜科 : セッコク亜科 Epidendroideae
: エリデス連 Aeridinae
: パピリオナンセ属 Papilionanthe
学名
Papilionanthe
和名
ハナボウラン属(花棒蘭属)

本文参照

パピリオナンセ属(パピリオナンセぞく、学:Papilionanthe)は、に含まれる属の一つ。ヒスイラン属と近縁である。略称記号は Ple.。一部種は棒バンダという名で呼ばれる。パピリオナンテ属とも呼ばれる。和名ハナボウラン属とする場合もある[1]

概要

南アジアインドバングラデシュブータン東アジアの中国の広東省広西チワン族自治区チベット高原、東ティモールを除く、大陸部の東南アジアカリマンタン島スマトラ島、マラヤ島が原産地の着生、もしくは地生ランである。キューバ島全域と台湾には帰化している。花はラン科に多く見られる構造だが、唇弁の下部が大きく突出しているのが特徴である。花色は白色、桃色、薄紫色がある。いずれの種も唇弁の基部には縦筋が入り、基部は黄色をしているのは共通している。花は長い花茎を持ち、葉腋から伸びる。葉は棒状をしており非常に細い。また、ラン科にしては珍しく、葉鞘が重なった偽鱗茎が見られず、代わりに大きく撓る茎を持つ。この事から花が咲いていない時は、スパニッシュモスの様な草姿になる。根はラン科に多く見られるベラーメン層を持った白い麺状の根をしている[2][3]

栽培方法

日本での流通量が少ないためか、栽培例はまだ少ない。ヒスイラン属と同じく着生種は根の加湿を非常に嫌うので、ミズゴケやメッシュのある籠などで栽培する。ムンディ種(P. mundyi)は500m~700m級の高地に自生しているので、暑さには弱い[4][5]

名称について

テレス種のスケッチ。葉が棒状で、偽鱗茎は見られない。
垂直に仕立てられて鉢植えにされたもの。

属名Papilionantheの由来は、Papillon(蝶、蛾)+Anthos(花)の合成語である。左右対称の花が蝶もしくは蛾を髣髴とさせる事にちなむ[5][1]

下位分類

パピリオナンセ属は凡そ10種類が認められる。かつてはバンダ属やデンドロビウム属に分類されていた。

栽培される種

  • パピリオナンセ・テレス

 (Papilionanthe teres

和名はハナボウラン(花棒蘭)で、南アジアのインド、バングラデシュ、東アジアの中国の広東省、広西チワン自治区、チベット高原、東ティモールを除く、大陸部の東南アジア、カリマンタン島、スマトラ島、マラヤ島で、キューバ島全域と台湾には帰化している種。葉の長さは10~20㎝程度になり、葉は円筒状をしている。草丈は大きければ100㎝以上となり、花期は初夏頃[1][6]

  • パピリオナンセ・フッケリアーナ

 (Papilionanthe hookeriana

ベトナム、タイ、マレーシア、ブータン、シンガポール、インドネシアのカリマンタン島、スマトラ島、マラヤ島に自生する種[7][8]

  • パピリオナンセ・ムンディ

 (Papilionanthe mundyi

かつてはヒスイラン属とエリデス属の交配種とされていた種だが、現在はパピリオナンセ属に含まれる種の一つとして扱われている。花期は冬頃である[5]

その他の種

  • Papilionanthe biswasiana (Ghose & Mukerjee) Garay
  • Papilionanthe greenii (W.W.Sm.) Garay
  • Papilionanthe pedunculata (Kerr) Garay
  • Papilionanthe sillemiana (Rchb.f.) Garay
  • Papilionanthe cylindrica (Lindl.) Seidenf.
  • Papilionanthe tricuspidata (J.J.Sm.) Garay
  • Papilionanthe uniflora (Lindl.) Garay
  • Papilionanthe vandarum (Rchb.f.) Garay

ギャラリー

出典

  1. ^ a b c GKZ植物事典・パピリオナンテ・テレス”. gkzplant.sakura.ne.jp. 2025年2月22日閲覧。
  2. ^ Papilionanthe Schltr. | Plants of the World Online | Kew Science” (英語). Plants of the World Online. 2025年2月22日閲覧。
  3. ^ アゲハチョウSchltr。
  4. ^ パピリオナンセとは|育て方がわかる植物図鑑|みんなの趣味の園芸(NHK出版)
  5. ^ a b c GKZ植物事典・パピリオナンテ・ムンディ”. gkzplant.sakura.ne.jp. 2025年2月22日閲覧。
  6. ^ Papilionanthe teres (Roxb.) Schltr. | Plants of the World Online | Kew Science” (英語). Plants of the World Online. 2025年2月22日閲覧。
  7. ^ Papilionanthe hookeriana(Rchb.f.)シュルトル。
  8. ^ Papilionanthe hookeriana (Rchb.f.) Schltr. | Plants of the World Online | Kew Science” (英語). Plants of the World Online. 2025年2月22日閲覧。



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