パチャ・ママとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 宗教・信仰 > > 様々な宗教の神 > 女神 > パチャ・ママの意味・解説 

パチャママ 【Pachamama】

アンデス原住民が「大地母」として信仰するもので、聖母マリア同一視されることもある。農作物家畜繁栄与える力があるとされ、供物として酒・コカ香料獣脂などを供える供えるのを怠ると不幸がくるとする。

パチャママ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/28 07:09 UTC 版)

Pachamama, Cosmologia, Juan de Santa Cruz Pachacuti Yamqui Salcamayhua (1613).

パチャママ (Pachamamaケチュア語アイマラ語で「母なる大地」を意味する) とは、アンデスの古い神話にあらわれる代表的な女神

先コロンブス期に、先住民たちによって信仰されていた。豊穣を司る大地のであり、全てのものの母親とされる。パチャママは山や川など大地のすべてを表すものとされ、特定の姿や地域で示されることはない。

スペインの侵略以降キリスト教が深く浸透したため、インカ時代の神はほとんど信仰されなくなってしまったが、パチャママだけは聖母マリアと重ね合わされて現在でもペルーボリビアで信仰している人が少なくない。ただし、近代化の波とともに都市部の若者たちは宗教に関心を抱かなくなり、信仰は徐々に消えつつある。それでも以下で述べるように、都市部においても、祭りや結婚式などの際の慣習として信仰の儀式が残っている。

母性を持つ大地の神パチャママに対して、父性を持つ天の神は「パチャカマック」 (Pachacamac) と呼ばれる。パチャカマックはしばしば太陽の神「インティ」 (Inti) と同一視されることがある。パチャカマックやインティはインカの伝承の中では重要な神であるが、現在はパチャママほど信仰されているとはいえない。

アンデスに住む人々は、祝い事や祭りのときにを飲む際、グラスから少量の酒を地面にこぼしてから飲む習慣がある。これは、よい酒ができたことをパチャママに報告し感謝するための儀礼であるといわれる。とうもろこし発酵させて作るチチャという酒がアンデス地方ではよく飲まれるが、特にこのチチャは飲む前にパチャママに捧げる(つまり地面に少しこぼす)のが礼儀であるとされている。なお、室内で床が汚れるのを嫌う場合には、酒をちょっと指先に付けて1滴程度を床にたらすということも行なわれる。

ボリビアのノルテポトシ地方で行なわれるティンクという祭りでは、殴り合って出た血をパチャママに捧げて(地面に吸わせて)豊穣を祈願するといわれている。

関連項目




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「パチャ・ママ」の関連用語

パチャ・ママのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



パチャ・ママのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
中経出版中経出版
Copyright (C) 2025 Chukei Publishing Company. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのパチャママ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS