パゴダンからの合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 21:32 UTC 版)
「ドデカヘドラン」の記事における「パゴダンからの合成」の解説
1987年、プリンツバッハ(英語版)らによりパゴダン異性体を経由する新たな合成経路が発見された。パゴダンは、イソドリン(英語版)を始物質として [6+6]光環化付加反応などにより得ることができ、シュリーヤーのアダマンタン合成と似たアプローチでドデカヘドランに異性化する候補物質として適していると考えられた。プリンツバッハらとシュリーヤーらの共同研究により、最高で8%の収率が達成された。後の10年でプリンツバッハらはパゴダン経由の合成経路について最適化を重ね、数グラム程度の合成に成功しただけでなく、選択的な置換と不飽和化[要リンク修正]を達成した。パゴダンとドデカヘドランおよびその置換体の研究の中でも、σ-ビスホモ共役系の発見と多臭化ドデカヘドランからのフラーレンC20の合成は特筆に値する。パゴダン経路の最適化など、プリンツバッハらの貢献の総まとめは2006年のC20クラスターに関する論文に見ることができる。最適化されたドデカヘドラン合成経路においては、収率の低いパゴダンからドデカヘドランへの異性化は段数が多いものの収率の高い別の経路に置き換えられているが、パゴダン誘導体に強く依存していることは変わらない。下図を参照のこと。
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