バマー人民解放軍とは? わかりやすく解説

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バマー人民解放軍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/15 21:46 UTC 版)

バマー人民解放軍
ဗမာပြည်သူ့လွတ်မြောက်ရေးတပ်တော်
バマー人民解放軍軍旗
活動目的 フェデラル連邦主義
本部 カレン民族解放軍第5旅団支配地域[1]
活動地域 カレン州
シャン州北部[1]
兵力 1000+[2]
関連勢力 [9]
敵対勢力

 ミャンマー (国家行政評議会)

戦闘 ミャンマー内戦
ウェブサイト bplarmy.com
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バマー人民解放軍(バマーじんみんかいほうぐん、ビルマ語: ဗမာပြည်သူ့လွတ်မြောက်ရေးတပ်တော်英語: Bamar People's Liberation Army、 略称:BPLA)は、ミャンマーの武装組織である[10][11]。BPLAは、ミャンマーの著名な詩人かつ人権活動家であるマウンサウンカー英語版を含む、2021年ミャンマークーデター抗議デモ参加者17人によって2021年4月17日に結成された[12]。BPLAのロゴは、円形に配置された9枚の孔雀の羽で構成されたものであり、これは最後のビルマ国王の象徴である[11]

マウンサウンカーは元国民民主連盟(NLD)の党員だったが、党に失望して2018年に離党した経験を持つ[13]。BPLAは国民統一政府(NUG)の支援を受けず、いずれの少数民族武装勢力(EAO)の指揮下にもなく、独立して活動しており、自立型PDFに分類される[14]。安全保障上の理由から正確な兵士の数は非公開であるが、約1,000人と言われ、ビルマ族が多数を占めている[13]

目的

マウンサウンカーによると、BPLAの目的には、「バマー仏教徒による他民族への支配に終止符を打つこと」、「フェデラル連邦の下でミャンマーの多様な民族の団結を強化すること」、「アウンサンスーチーが自宅軟禁から解放された場合、国家の安定の名の下に政治的妥協がなされないようにすること」[12]、「将来のフェデラル連邦におけるバマー人のアイデンティティに基づくバマー州または構成単位を認めること」[15]が含まれている。また、マウンサウンカーは文民政権が誕生すればBPLAは解散するとしている[1]

BPLAのホームページには以下のような政治目的が掲げられている[16]

  1. 独裁政権の崩壊とすべての人々の抑圧的な支配からの解放。
  2. 人種優越主義の終焉と平等と自己決定の達成。
  3. 民主主義と人権を保証する新しい連邦国家の建設。
  4. 新しい連邦連合の構築において、バマー連邦ユニット(または)バマー州を連合メンバーとして含む。
  5. 公衆の自由と安全を守る。

活動

BPLAは、アラカン軍(AA)とカレン民族解放軍(KNLA)第5旅団によって軍事訓練を受けた後、カレン州でKNLA第5旅団のほか、第1旅団、第3旅団の下で軍事作戦に参加した(BPLAはこの地域を「第107軍区」と呼んでいる)。またBPLAが「第203軍管区」と呼ぶシャン州北部でも、三兄弟同盟の支援を受けて軍事作戦に参加している。マウンサウンカーによると、三兄弟同盟はなんの見返りを求めず、兵器、弾薬、食料を支援してくれたのだという。BPLAは2023年の1027作戦にも約200人の兵士を擁して参加している[17]

マウンサウンカー

BPLAは体系的な階層構造、明確な責任分担、規則体系を備えており、メンバーには訓練段階から軍服を支給している。ま軍事訓練の課程には連邦制をテーマにした授業も行っている。BPLAのメンバーは革命が終わるまで奉仕することを誓約しなければならず、メンバー個人が公的な寄付を求めることや、現金を保有することを禁じている。  寄付希望者はBPLAにに直接寄付することができ、透明性を確保するため、寄付金はBPLAのソーシャルメディアページに掲載される[18]

2024年9月、マウンサウンカーは、BPLAの拠点を、マグウェ地方域、ザガイン地方域、マンダレー地方域を含むアニャー地域へ移転する意向を発表した[19]。その際、マウンサウンカーは「ビルマ族から構成される軍隊にとって、ビルマ族の地域に拠点を置き、そこで活動することはわれわれのビジョンの重要な部分だ」というメッセージを発した[20]

出典

  1. ^ a b c d e f “‘Operation 1027 is not limited to northern Shan State’ – BPLA leader Maung Saungkha” (英語). Myanmar Now. (2023年12月8日). https://myanmar-now.org/en/news/operation-1027-is-not-limited-to-northern-shan-state-bpla-leader-maung-saungkha/ 2024年3月4日閲覧。 
  2. ^ “တရုတ်နယ်စပ်က ရိုင်ဖယ်များနှင့် အားမာန်ပြည့်လာသည့် တပ်ဖွဲ့သစ်များ [Armed groups rejuvenated by rifles from Chinese borderlands]” (ビルマ語). Irrawaddy. (2023年6月6日). https://burma.irrawaddy.com/article/2023/06/06/260621.html 
  3. ^ “Message from Lieutenant General Bao Jue Hai, Deputy Commander of the Karen National Liberation Army, to the Graduation Ceremony of the Burmese People's Liberation Army”. (2022年4月8日). https://inf.news/en/military/63c1f3c8afe73e8c1ed7b3f4337cb029.html 2022年4月7日閲覧。 
  4. ^ BPLA (2023年5月31日). “KNDF ဖွဲ့စည်းထူထောင်ခြင်း (၂)နှစ်ပြည့်အတွက် BPLA က ပေးပို့သော သဝဏ်လွှာ” [BPLAによるKNDF設立2周年記念メッセージ] (ビルマ語). 2024年3月4日閲覧。
  5. ^ “NUG and BPLA will cooperate militarily” (Burmese). RFA Burmese. (2022年10月26日). https://www.rfa.org/burmese/news/nug-and-bpla-10272022083148.html 2022年10月27日閲覧。 
  6. ^ “AA congratulates People’s Revolution Alliance-Magway” (英語). Myanmar Peace Monitor. (2023年3月29日). https://mmpeacemonitor.org/317708/aa-congratulates-peoples-revolution-alliance-magway/ 2024年3月4日閲覧。 
  7. ^ Fishbein, Emily; Jaw Tu Hkawng; Zau Myet Awng (2023年11月3日). “Northern offensive brings ‘new energy’ to Myanmar’s anti-coup resistance” (英語). Al Jazeera. https://www.aljazeera.com/amp/news/2023/11/3/northern-offensive-brings-new-energy-to-myanmars-anti-coup-resistance 2024年3月4日閲覧。 
  8. ^ “Burmese People's Liberation Army thanks AA for military training support” (英語). (2022年10月18日). https://www.bnionline.net/en/news/burmese-peoples-liberation-army-thanks-aa-military-training-support 2024年3月4日閲覧。 
  9. ^ Ko Oo (2023年3月8日). “Myanmar’s Spring Revolution Aided by Ethnic Kokang Armed Group” (英語). Irrawaddy. https://www.irrawaddy.com/opinion/analysis/myanmars-spring-revolution-aided-by-ethnic-kokang-armed-group.html 2024年3月4日閲覧。  {{cite news}}: 名無し引数「Myanmar’s Spring Revolution Aided by Ethnic Kokang Armed Group」は無視されます。 (説明)
  10. ^ Nijhuis, Minka (2022年4月6日). “Diep in de jungle trainen Myanmarezen voor de strijd tegen de junta” (オランダ語). NRC. 2022年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月7日閲覧。
  11. ^ a b “Myanmar's rebellion, divided, outgunned and outnumbered, fights on” (英語). The Washington Post. (2022年3月30日). オリジナルの2022年4月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220402162233/https://www.washingtonpost.com/world/2022/03/30/myanmar-civil-war-rebels-military/ 2022年4月7日閲覧。 
  12. ^ a b Saungkha, Maung (2022年2月9日). “Ready for war: my journey from peaceful poet to revolutionary soldier” (英語). the Guardian. 2022年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月7日閲覧。
  13. ^ a b Frontier (2022年7月13日). “The PDFs marching to their own tune” (英語). Frontier Myanmar. 2025年7月15日閲覧。
  14. ^ CAGa 2025, p. 15.
  15. ^ @maung_saungkha (27 January 2022). “The Bamar People's Liberation Army, seeks to uproot dictatorship & chauvinism, strengthen ethnic unity, recognize a Bamar state or constituent unit based on Bamar identity in a future federal union”. X(旧Twitter)より2022年4月7日閲覧.
  16. ^ Wansai, Sai (2023年9月15日). “BPLA AND BNRA: The young Bamar generation leaders on the right track” (英語). Shan Herald Agency for News. 2025年7月15日閲覧。
  17. ^ CAGa 2025, pp. 48–49.
  18. ^ Frontier (2022年7月13日). “The PDFs marching to their own tune” (英語). Frontier Myanmar. 2025年7月15日閲覧。
  19. ^ Bamar Armed Group Aims to Break Junta Rule in Central Myanmar”. The Irrawaddy (2024年11月12日). 2025年7月15日閲覧。
  20. ^ Wansai, Sai (2023年9月15日). “BPLA AND BNRA: The young Bamar generation leaders on the right track” (英語). Shan Herald Agency for News. 2025年7月15日閲覧。

参考文献

外部リンク




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