学生武装隊
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学生武装隊 | |
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ကျောင်းသားလက်ရုံးတပ်တော် | |
![]() 軍旗 ![]() 腕章
学生武装隊の旗
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指導者 | ミンラットオカー (総司令官) |
関連勢力 | |
敵対勢力 | |
戦闘 | ミャンマー内戦 |
学生武装隊 (がくせいぶそうたい、ビルマ語: ကျောင်းသားလက်ရုံးတပ်တော်、英語: Student Armed Force、略称: SAF または ကလတ) はミャンマーのレジスタンス組織である[3][4]。
国民統一政府(NUG)からは支援を受けていないが、メンバーの個人的繋がりを通して、医薬品などの提供を受けている。自立型PDFに分類される[5]。
活動
2021年4月27日、2021年ミャンマークーデター抗議デモの際のミャンマー軍(以下、国軍)による弾圧からアラカン軍(AA)の領土に逃れてきた22人の学生によって結成された。彼らは、ヤンゴンを拠点とするさまざまな大学の学生自治会の連合・学生自治会連合(Alliance of Student Union:ASU)のメンバーだった。彼らはAAの下で対空砲火の訓練を受け、その後、ASUに所属する他の学生たちが、カレン民族解放軍(KNLA)やカレンニー諸民族防衛隊(KNDF)の下で基礎的な軍事訓練を受けた[5][6][7]。
現在はAAの支援を受け、AAの指揮下でラカイン州、マグウェ地方域、ザガイン地方域で活動しており、マグウェではミャンマー国防産業局(カパサ)の工場を、ザガインでは国軍の北西軍司令部を標的にしている。2023年の1027作戦にも参加した[8][9][10][5]。
また、SAFは、NUGの地方行政機関・3つのパと協力して、医療従事者のメンバーが移動治療を行ったり、政治思想、ジェンダー、法律、停戦の実施方法などのワークショップを開催するなど地域支援活動を行っている[11]。
組織
組織構造
6か月ごとに、ASUの大学代表者で構成される総会が、投票によって中央委員会メンバー5人を選出する。そのうち4人は文民で、政治、兵站、教育戦を担当する。残りの1人が軍事作戦を指揮監督する軍総司令官で、軍総司令官を含むSAFのメンバーは、4人の文民委員の主要な政治・軍事決定に従わなければならない。文民統治が徹底している。主要メンバーのほとんどが30歳以下で、元組合幹部、IT専門家、青年オーガナイザー出身者などで構成されている[11]。
2023年には政治教育部隊が設立された。その趣旨はイデオロギーや戦略をより明確化して、同盟を組んでいるEAOや海外支援者との円滑なコミュニケーションを図ることにあるのだという[11]。
兵力

400~600人。入隊希望者は思想信条を審査され、合格後、KNLAまたはKNDFの下で軍事訓練を受ける。メンバーの30%は女性で、特にドローン部隊と政治指導部に集中している[12]。なお、元女優のハニー・ヌウェウーが学生武装隊の上級士官を務めている[13]
活動地域
マンダレー地方域北部、ザガイン地方域南部、マグウェ地方域東部、ラカイン州。NUGの第2軍管区に正式に組みこまれている[11]。
資金源
領土を有さないので、資金の80%をソーシャルメディアを通じての寄付金に依存している。また、AAから食料、兵器、弾薬を提供されているが、ラカイン州での戦闘が激化するにつれ、減少傾向にある[14]。
同盟
東南アジア学生組合(Southeast Asian Student Union:SASU)と連携している[11]。
脚注
- ^ “Union Minister of the Ministry of Defense meets the People's Revolution Alliance (Magway)” (Burmese). Public Voice Television. (2022年11月1日). オリジナルの2023年4月5日時点におけるアーカイブ。 2022年11月2日閲覧。
- ^ “Pyusawhti militia”. Myanmar NOW. オリジナルの2023年1月15日時点におけるアーカイブ。
- ^ “ကျောင်းသားလက်ရုံးတပ်တော် ထူထောင်ရေးကာလ ဦးဆောင်ကော်မတီမှ ဖြေကြားချက်” (英語). Mizzima 2023年1月10日閲覧。
- ^ “လက်နက်ကိုင်တော်လှန်ရေးအတွက် ကျောင်းသားလက်ရုံးတပ်တော် တပ်သားသစ်စုဆောင်းနေ” (ビルマ語). DVB. (2022年8月17日). オリジナルの2023年1月10日時点におけるアーカイブ。 2023年1月10日閲覧。
- ^ a b c CAGa 2025, p. 35.
- ^ “ကျောင်းသားလက်ရုံးတပ်တော် အခြေခံ စစ်သင်တန်းဆင်းပွဲတွင် ဆု ၆ မျိုး ချီးမြှင့်” (ビルマ語). Mizzima
- ^ “ရက္ခိုင်တပ်တော်(AA)၏ တပ်တော်နေ့ကို ဂုဏ်ပြုခြင်းအနေဖြင့် ပြည်သူ့ကာကွယ်ရေးတပ်ဖွဲ့များက ကျေးဇူးစကားဆို” (ビルマ語). Tachileik News Agency. 2023年3月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月10日閲覧。
- ^ Now, Myanmar (2024年11月29日). “Arakan Army allies capture 14 Myanmar junta soldiers in Magway Region ambush” (英語). Myanmar Now. 2025年7月31日閲覧。
- ^ “AA Seizes Rakhine’s Taungup, but Battle Continues”. The Irrawaddy. 2025年7月31日閲覧。
- ^ “Myanmar Junta’s Western Command Buckling as Troops Mull Surrender: Sources”. The Irrawaddy. 2025年7月30日閲覧。
- ^ a b c d e CAGc 2025, pp. 26–28.
- ^ CAGc 2025, pp. 26–28, 42–43.
- ^ “နွေဦးမှာပွင့်တဲ့ပန်း – ဟန်နီနွေဦး” (ビルマ語). Progressive Voice Myanmar. (2022年10月20日). オリジナルの2023年4月4日時点におけるアーカイブ。 2023年1月10日閲覧。
- ^ CAGb 2025, pp. 15–16.
参考文献
- A Scalable Typology of People’s Defence Forces in Myanmar. Centre on Armed Groups. (2025)
- Funding the People's Defence Forces in Myanmar. Centre on Armed Groups. (2025)
- Towards a Deeper Understanding of Myanmar’s People’s Defence Forces. Centre on Armed Groups. (2025)
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