バイオントダム地すべり(1963年)【地すべり・山間部・津波・ダム建設による地下水位上昇】
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 23:02 UTC 版)
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イタリア北部のバイオントダムで地すべりが発生。1960年に竣工していたダム堤の岩盤は固かったが、貯水池左岸に地すべり地形と考えられる緩斜面が広がっていた。貯水を始めてしばらくすると、その緩斜面で地すべりの開始を示す亀裂やクリープが発見されたため、監視が続けられ、水を抜く排水トンネルも設けられた。中断されていた貯水は、試行錯誤の末、小刻みに昇降させつつ水位を上げていくと地すべりの速度が遅くなったことから、この方法を採用して再開された。ところが1963年秋、途中で再び地すべりの速度が速くなったため、水位を下げる対策を取ろうとしていた時、雨が降り続いて水位が更に上昇してしまう。10月9日深夜に高速の地すべりが発生、土砂は貯水池に突入して高い津波を発生させ、対岸(右岸)や上流の集落を襲った。更に、津波はダム堤を乗り越えて下流の集落も襲った。犠牲者は2,600人に上った。津波は湖面から240m高い地点にまで到達、土砂に押し出された水の体積は1.2×108m3と推定されている。
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