ハードウェア例外との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/07 06:02 UTC 版)
「シグナル (Unix)」の記事における「ハードウェア例外との関係」の解説
プロセスの実行によってハードウェア例外が発生することがある。例えば、プロセスがゼロ除算を行おうとしたときや、TLBミスを引き起こしたときなどである。Unix系OSでは、ハードウェア例外が発生するとコンテキストを自動的に切り替えてカーネルの例外ハンドラを実行開始する。ページフォールトなどの一部の例外の場合、カーネルはそのイベントを処理するのに十分な情報を持っているので、プロセスの実行を再開させることができる。しかし他の例外ではカーネルはうまく処理できず、代わりに例外を発生させた処理を行っていたプロセスに例外処理を委任しなければならない。シグナルはこの委任のための機構としても機能し、カーネルからプロセスに対してその例外に対応したシグナルを送信する。例えば、x86 CPU でゼロ除算を行おうとした場合 divide error 例外が発生し、カーネルがそのプロセスにSIGFPEというシグナルを送信する。同様に、あるプロセスが自身の仮想アドレス空間の範囲外のメモリアドレスにアクセスしようとした場合、カーネルはSIGSEGVシグナルを送信する。ハードウェア例外の種類はCPUのアーキテクチャによって異なるので、ある例外が発生したときどういうシグナルが送信されるかは厳密にはCPUアーキテクチャやカーネルの実装に依存する。
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