ノコル一覧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/18 04:24 UTC 版)
『集史』「クビライ・カアン紀」の第三部は事実上の「アリクブケ伝」となっているが、そこには『集史』編纂当時アリクブケ家の総領であったメリク・テムルのノコル(御家人)一覧が記されている。 名前部族出自役職ほかジャウトゥ(ペルシア語: جاوتو, ラテン文字転写: jāūtū) スルドス スンジャク・ノヤンの子 左翼万人隊長、ケシク長の一人 キプチャク(ペルシア語: قبچاق, ラテン文字転写: qibchāq) コンゴタン ココチュの子 右翼万人隊長、ジャクルチ アラカ(ペルシア語: الاقا, ラテン文字転写: ālāqā) コンゴタン ジルケ・バアトルの子 コンゴタンの千人隊長 ジャンギ・キュレゲン(ペルシア語: جانگقی کورگان, ラテン文字転写: jāngqī kūrgān) ジャライル ウカイの後継者 ジャライルの千人隊長 ケレイテイ(ペルシア語: کریدای, ラテン文字転写: kerīdāī) スルドス ビチクチの長 ケフテイ(ペルシア語: کهتی, ラテン文字転写: kehteī) スルドス メリク・テムルの乳兄弟 カダカ(ペルシア語: قدقه, ラテン文字転写: qadaqa) メルキト ブケウルの長 サクタイ(ペルシア語: ساقتی, ラテン文字転写: sāqtaī) コンゴタン ケシク長の一人 スゲ(ペルシア語: سوکه, ラテン文字転写: sūka) コンゴタン ケシク長の一人 バブカ(ペルシア語: بابوقه, ラテン文字転写: bābūqa) (タタル) クトゥク・ノヤンの子 千人隊長 エセン・テムル・バウルチ(ペルシア語: ایسان تیمور باورچی, ラテン文字転写: yīsān tīmūr bāūrchī) ノヤン・バウルチの子 ベステイ・ノヤン(ペルシア語: بیسوتای نویان, ラテン文字転写: bīsūtāī nūyān) オルドのアミール アリクブケ・ノヤン(ペルシア語: اریغ بوکا نویان, ラテン文字転写: ārīgh būkā nūyān) ナイマン ジャウルダル(ペルシア語: جاولدار, ラテン文字転写: jāūldār) アルラト ブルグチの子 ヤルグチ エブゲン(ペルシア語: ابوگان, ラテン文字転写: ābūgān) ジャライル ボグラの子 ヤルグチ トガン・アクタチ(ペルシア語: توقان اختاچی, ラテン文字転写: tūqān ākhtāchī) ベスト ジェベの一族 アクタチ(厩官) トグリル(ペルシア語: طغرل, ラテン文字転写: ṭughuril) スルドス トゥルタクの子 カンダカイ・ヘザネチ(ペルシア語: قندقای خزینه چی, ラテン文字転写: qandaqāī khezanechī) カラキタイ ウヤルの子のアタカイの子 アビシュカ・スクルチ(ペルシア語: ابیشقا شکورچی, ラテン文字転写: ābīshqā shukūrchī) コルラウト スクルチ メリキ・エルケチ(ペルシア語: ملک ایرکچی, ラテン文字転写: melik īrkchī) タジク この一覧から、アリクブケ及びメリク・テムルの所領ではスルドスとコンゴタンの2部族が重要な位置を占めていたと考えられている。 コンゴタンはモンゴル帝国成立以前から代々シャーマンを務める特殊な一族であること、スルドスはチンギス・カン家の人間が葬られるブダ・ウンドゥル一帯を遊牧地とすること、などからメリク・テムルのウルスはチンギス・カン家の祭祀を務める特殊な性格を有していたと考えられている。メリク・テムルのウルスがチンギス・カン家の祭祀を務めていたのは、メリク・テムルがチンギス・カンのオッチギン(末子、トルイ)のオッチギン(アリクブケ)のオッチギンであるという出自が関係していると考えられている。
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