ナガミボチョウジ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/07 07:52 UTC 版)
ナガミボチョウジ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ナガミボチョウジの実
(2025年1月 沖縄県石垣市桴海) |
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分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Psychotria manillensis Bartl. ex DC. | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ナガミボチョウジ |

ナガミボチョウジ(長実母丁字、学名:Psychotria manillensis)はアカネ科ボチョウジ属の常緑低木[1]。
特徴
高さ1–2 m。葉は長さ10–22 cm、幅5–10 cmの倒卵形、全縁、両面無毛で対生する。葉幅は葉先寄りで広くなる傾向が強い。花は白色で径3–5 mm、先端は5裂する。夏季に咲く。果実は長さ8–13 mmの楕円形〜球形で、黄色から赤色に熟し、秋〜春まで長期間みられる。
同属のボチョウジと比べて樹高はやや小さく、葉は幅広く、葉脈は葉表に隆起し、主脈と側脈のなす角は広く、葉裏の脈腋にダニ室が無い点で異なる。果実はボチョウジより縦長だが球形に近いものもあり、違いは不明瞭。染色体数は2n=84[1][2][3]。
分布と生育環境
鹿児島県トカラ列島〜沖縄県先島諸島、台湾、フィリピンに分布[4]。沖縄本島では南部に多く、アルカリ土壌を好み、石灰岩地の海岸〜山地の林内や林縁に生える。北部では八重岳や辺戸岳の石灰岩地にみられる。同属のボチョウジが沖縄本島北部(名護岳など)の非石灰岩地に多くみられ、酸性土壌を好むのとは対照的。市街地近郊にもみられ、黄色から赤色に変わる果実が長期間観察される[1][2][3]。
利用
ボチョウジと同様に、枝葉は魔除けや祭祀に使用される[1]。
脚注
- ^ a b c d (大川 & 林 2016, p. 353)
- ^ a b (片野田 2019, p. 74)
- ^ a b (林 & 名嘉 2023, p. 263)
- ^ “Psychotria manillensis Bartl. ex DC.” (英語). Plants of the World Online. Kew Science. 2025年1月30日閲覧。
参考文献
- 大川智史; 林将之「ナガミボチョウジ」『ネイチャーガイド 琉球の樹木 奄美・沖縄〜八重山の亜熱帯植物図鑑』文一総合出版、東京都新宿区、2016年。ISBN 9784829984024。
- 片野田逸郎「ナガミボチョウジ」『琉球弧・植物図鑑 from AMAMI』南方新社、2019年。 ISBN 9784861244056。
- 林将之; 名嘉初美「ナガミボチョウジ」『沖縄の身近な植物図鑑』(第2版)ボーダーインク、2023年。 ISBN 9784899824350。
外部リンク
- ナガミボチョウジ(長実母丁字) こまつなの部屋
- ナガミボチョウジ(長実母丁字) 野の花賛花 ―自生の姿を追って―
- ナガミボチョウジ(長実ボチョウジ) うちなー通信
- ナガミボチョウジ Psychotria manillensis ノパの庭
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