ドーニャ=マリーナとは? わかりやすく解説

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マリンチェ

(ドーニャ=マリーナ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/03 19:12 UTC 版)

マリンチェ

マリンチェ(La Malinche、1502年頃 - 1527年。没年を1529年とする資料もある)は、スペインアステカ征服に際しスペイン側に協力したコラボレーターの代表的女性。

生涯

マリンチェはパイナラ(西: Painala)の首長の家に生まれたが、父親が亡くなり、母親が再婚すると邪魔者扱いされてタバスコ州の村に奴隷として売られた[1]。この境遇により母語のナワトル語だけでなく、移り住んだ土地のマヤ語双方に通じた。

彼女は、Batalla de Centlaの敗戦で、タバスコの首長Tabscoobよりエルナン・コルテスに献上された後[1]、奴隷としてキリスト教の洗礼を受けスペイン人達と生活をともにするうちにスペイン語も習得し、通訳として彼のために働き、スペインによるアステカ帝国の征服英語版に多大な貢献をした[2]ベルナル・ディアス・デル・カスティリョは彼女をわれわれの舌と呼んだ[1]

アステカ滅亡後、マリンチェはコルテスの子マルティン・コルテス英語版を産んだが、コルテスの回想録では通訳とのみ記しているだけで、後にコルテスの部下でイダルゴJuan Jaramilloと結婚させられた[2]。コルテス家の跡を継いだ同姓同名の弟マルティン・コルテス英語版はコルテスの後妻(西: Juana de Zúñiga)の子であり、マリンチェの産んだ子ではない。

評価

椅子に座っているコルテスの傍らに立つマリンチェ(トラスカラの古写本より)

メキシコがスペインから独立した際に、アステカ最後の王であるクアウテモックが英雄視されたのと対照的に、彼女は裏切り者の代名詞とされた[2]

近年のメキシコでは、フェミニズムの観点から彼女に同情的な意見も見られるようになっている[1]。また未来を生む象徴と見る向きもある[3]

ベラクルス州の町には彼女の像が建っている[3]

脚注

  1. ^ a b c d 越川芳明. “「マリンチェ」という名の女”. 明治大学越川研究室HP. 2010年7月11日閲覧。
  2. ^ a b c 伊藤滋子(元ベネズエラ大使夫人). “マリンチェ”. 2015年3月22日閲覧。[リンク切れ]
  3. ^ a b メキシコのマリンチェ”. 2010年7月11日閲覧。[リンク切れ]

関連書籍

  • 飯島正『メキシコのマリンチェ』(晶文社 1990年)
  • 霜鳥慶邦「女神になったマリンチェ―『羽鱗の蛇』とアステカの記憶」(『英文学研究』84号、2007年)

関連項目

外部リンク


ドーニャ=マリーナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 09:28 UTC 版)

大航海時代III Costa del Sol」の記事における「ドーニャ=マリーナ」の解説

インディオ女性史実では、コルテス通訳参謀愛妾務めアステカ王国征服大きな役割果たした本作ではコルテス随行しているという描写無く、あるイベント起こすことによって通訳としてプレイヤー艦隊加入するゲーム序盤では貴重な中南米土着語通訳である。

※この「ドーニャ=マリーナ」の解説は、「大航海時代III Costa del Sol」の解説の一部です。
「ドーニャ=マリーナ」を含む「大航海時代III Costa del Sol」の記事については、「大航海時代III Costa del Sol」の概要を参照ください。

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