トリスタンの最期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/06 06:55 UTC 版)
コーンウォールを出たトリスタンは、旅の途中、版によって出自は異なるが、かつての恋人と同名である「イゾルデ」という女性と出会う。これ以降、2人のイゾルデを区別するため、アイルランドのイゾルデ姫は「金髪のイゾルデ」あるいは「美しいイゾルデ」と呼ばれ、ここで登場した女性は「白い手のイゾルデ」と呼ばれることになる。 トリスタンは「白い手のイゾルデ」と結婚する。彼女と結婚した理由として、名前が気になったから、「白い手のイゾルデ」あるいは「白い手のイゾルデ」の兄と友人になったから、などと説明される。しかし「金髪のイゾルデ」のことが忘れられなかったトリスタンは、「白い手のイゾルデ」と床を同じにすることはなかった、と説明が入ることが多い。 そんなある日、ふとしたきっかけからトリスタンは瀕死の重傷を負ってしまう。これを治療できるのは「金髪のイゾルデ」しかいない、ということで使者がアイルランドに派遣される。このとき、トリスタンは、帰りの船にイゾルデが乗っているなら白い帆を、乗っていないなら黒い帆を掲げてくれるように依頼する。はたして、「金髪のイゾルデ」を乗せたアイルランドの船がやってきた。もはや動きもままならないトリスタンは妻である「白い手のイゾルデ」に帆の色を尋ねるが、彼女は嫉妬から「黒い帆です」と答えてしまう。この答えに絶望し、気力をなくしたトリスタンは、「金髪のイゾルデ」の到着を待たず死亡した。
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