トップセイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 19:53 UTC 版)
トップセイル(topsail)とは、帆船においてトップマストに設置される帆である。海面近くの風の状況に関わらず、安定した風を得る目的で使用された。 横帆の船において コースセイルの上、トガンセイルの下に設置される。最古のものはローマ帝国の時代に使用され始め、15世紀にはヨーロッパの広範囲で使用されるようになっていた。元々はメインマスト、フォアマストにのみ小さな帆が設置されていたが、17世紀中頃までに徐々にサイズと重要性が増していった。 大きなトップセイルは強風の中での操作が難しく、また危険性を含んでいた。そのためより少ない人員で容易に操帆できるように、19世紀中頃の商船でトップセイルが分割されるようになった。それ以降の大型の帆船では、1枚の場合もあるが多くは2枚に分割して張られる。その場合は下側が「ローワートップセイル(Lower topsail)」、上側が「アッパートップセイル(Upper topsail)」と呼ばれる。 縦帆の船において ガフセイルの帆船においては、ガフセイルの上に設置される三角形の小さな縦帆 ガフセイルの上に設置される四角形の横帆 の2種類をトップセイルと呼んだ。1. の場合は通常1枚のみであるが、2. の場合は横帆帆船と同じく2枚に分割される場合がある。カッターボートやスループ、スクーナーなど小型帆船においては1. のタイプのトップセイルが一般的である。大型の帆船では2. のタイプのトップセイルも多く見られ、スクーナーの場合は特にこの形を「トップスルスクーナー」と呼んでいる。 トップセイルを備える縦帆はガフセイルが最も一般的であるが、ラテンセイルなど他の縦帆でもトップセイルを持つ例ことがある。ただし、近年急激に普及したバミューダ帆装では、帆の形状からトップセイルは設置されない。
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