デュラスの“シネ・ロマン”
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/14 02:08 UTC 版)
「レーゼシナリオ」の記事における「デュラスの“シネ・ロマン”」の解説
映画監督も務めた女流作家マルグリット・デュラスには、『インディア・ソング』および『破壊しに、と彼女は言う』という戯曲とシナリオと小説が融合したような作品がある。前者には「テクスト・テアトル・フィルム」という副題が付けられ、後者は文庫版の裏表紙で「小説とも戯曲とも映像作品ともつかぬ」と評された。この点について、訳者の田中倫郎は「“シネ・ロマン”という言葉があればこれらの作品をうまく形容できるが、現時点では単に“書き物(エクリチュール)”と呼ぶしかない」と述べた。 『破壊しに、と彼女は言う』の文庫版訳者後書きによると、前作までタイトルに付記されていた"Roman"というジャンル名がこの作品から消えたという。「私自身は、もうロマンは読めなくなっている。こんにち、バルザックやプルーストのように書くことは出来ない」というデュラスの発言も後書きに紹介されている。ちなみに、本作が発表されたのが1969年、《断絶》という名の叢書からの刊行だった。
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