テント上に病変がある場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/10 15:10 UTC 版)
「出血性梗塞」の記事における「テント上に病変がある場合」の解説
テント切痕ヘルニアと帯状回ヘルニアが知られている。テント切痕ヘルニアには鉤ヘルニアと中心型ヘルニアがある、 中心型ヘルニア(テント切痕ヘルニア) テント上病変が両側性であったり、中心部に近いところにある場合にみられる。両側性に大脳半球や基底核から下方への力が働くことで視床や中脳が下方に偏倚し、両側側頭葉内側部がテント切痕でヘルニアを起こして中脳が圧迫される。 病期瞳孔対光反射呼吸間脳期 両側縮瞳 保たれる チェーンストークス呼吸 中脳期 両側中等大 消失 過換気呼吸 橋期 両側強度縮小(この時期がないこともある) 消失 浅く速い呼吸の持続 延髄期 両側散大(瞳孔不同あることも多い) 消失 失調性呼吸 鉤ヘルニア(テント切痕ヘルニア) 鉤ヘルニアはテント上病変が片側性の時に、病変側の鉤回や海馬回がテント切痕部から下方にヘルニアを起こす。このヘルニアによって病変側の動眼神経と大脳脚が圧迫されさらにテント切痕部で病変側の後大脳動脈が圧迫され、後頭葉に梗塞が生じる。初期には動眼神経の圧迫で病変側の散大と対光反射の減弱から始まる。中脳の圧迫が生じると意識障害、病変側の瞳孔散大、反対側の除脳硬直肢位という鉤ヘルニアの3徴が認められる。さらにヘルニアがすすむと瞳孔は両側散大する。その後の経過は中心型ヘルニアと同様である。 病期瞳孔対光反射呼吸初期 病変側散大 散大瞳孔は減弱 初期は正常 中脳期 両側中等大 消失 過換気呼吸 橋期 両側強度縮小(この時期がないこともある) 消失 浅く速い呼吸の持続 延髄期 両側散大(瞳孔不同あることも多い) 消失 失調性呼吸 帯状回ヘルニア 左右の大脳半球に圧格差が生じた結果、大脳鎌の下方から帯状回が反対側にヘルニアを起こす
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