テミスの託宣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/15 00:48 UTC 版)
ゼウスは天よりこの様子を眺めていたが、正しい男女一組だけが残ったことを確認した後、雨雲を払い、青空を示した。他方、アポロドーロスは、二人以外にも高山に登り難を避けた者が少数いたと述べている。天候が回復し、地上を覆っていた水が引いたことを知った二人は箱船より降り、ゼウスに感謝して捧げものをした。また、パルナッソスの南麓に託宣所を持っていた女神テミスにも感謝して祈った。 二人は、世界中に自分たち二人しか人間がいなくなったことを哀しみ、テミスにこの哀しみを訴えた。女神は答え、「爾らの大いなる母の骨を、歩みつつ背後に投げよ」と答えた。二人はこの託宣に驚き畏怖したが、デウカリオーンは女神が悪しきことを述べることはないはずで、「大いなる母の骨」とは「大地を造る岩」のことに違いないとピュラーに語った。こうして二人は、歩みつつ、地上に落ちていた石を拾って背後に投げて行った。
※この「テミスの託宣」の解説は、「ピュラー」の解説の一部です。
「テミスの託宣」を含む「ピュラー」の記事については、「ピュラー」の概要を参照ください。
- テミスの託宣のページへのリンク